スラムドック$ミリオネア
インド、ムンバイ。
スラム出身の青年、ジャマールが警察で拷問を受けていた。
ジャマールは、国民的人気番組「クイズ$ミリオネア」に出演し、
あと1問で2000万ルピーという大金を手にしようとしていた。
だが、弁護士や医者などの高学歴のものでさえ、
到達できなかった最後の問題まで、なぜ彼は正解を重ねられたのか。
ジャマールの快挙が面白くない番組の司会者は、
不正を疑い、警察に通報したのだった。
どんな手を使って答えを知り得たのか。。。
学校へも行っていないスラムドック(スラムの負け犬)である彼が、
「答えは知っていた」と言う理由は何なのか。
警察の容赦ない取調べに対して、ジャマールは一つずつ語り始める。
それは、スラムで生まれ育った兄弟の、
過酷なまでの“理由”だった。
これは、
ジャマールと、兄のサリーム。
そして、同じく親を亡くしたスラムの少女、ラティカ。
三人のお話だ。
ジャマールとサリームが、スラムを駆け抜ける。
スピード感溢れる映像に、インドのパワーを感じる。
貧しいけれど、二人の瞳はキラキラと輝いているのだ。
母を亡くしても、へこたれたりはしない。
常に前向きに生きていくという事を、身をもって知っているように見える。
この兄弟の幼少期を演じた二人の少年は、
実際のインドのスラムの少年だという。
この二人の逞しく大きな瞳が、印象的だった。
だが、ジャマールが語るクイズの答えを「知っていた」理由は、
彼が生きてきた、過酷で厳しい現実を突きつけるものだった。
その一つ一つの過去の物語が、
知りたくなくても、クイズの答えを知ってしまった理由。
いつしか違う道を歩む事になってしまった兄サリームと、
生き別れになっても忘れた事のなかったラティカへの思い。
そして、彼がミリオネアに出場した本当の理由は、
それこそシンプルで真っ直ぐなものだったのだ。
インドのエネルギッシュで雄大な景色と空気。
スピード感溢れる映像と、それを倍増する音楽。
過酷な現実と、ロマンティックなお話。
インド映画らしいダンスシーン。
どれもが、今まで観た作品とは一味違った味付けだった。
また素敵な作品に出会えた。
ダニー・ボイル作品。
他はあまり観たことがないので、
また、レンタルに通うことになりそうな予感。。。
そして、やっぱり。
あの少年たちのピュアな瞳が忘れられない。。。
そうそう、最後のクイズ。
(ネタバレなので、未見の方はスルーしてください。)
ジャマールとサリームとラティカ。
幼い彼らは、三人を「三銃士」に例えていたっけ。
ほとんど行ったことがない学校。
たまたま行った学校で「三銃士」を読んでいたっけ。
「三銃士。アトス、ポルトスと、あと一人は誰?」
答えは。。。
はいっ、「アラミス」です!
レオ様よりも、とっても渋くて素敵だった、
ダルタニアンを加えた四人のおじ様たち。
『仮面の男』を思い出し、答えを叫んでいたのでした。
(あっ、もちろん声には出してませんよ!)
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コメント
こんにちは。
インドって、なぜか魅力的ですよね。
たぶん、ヤワなワタシが気楽にふらふら行ったとしたら
ものすごいショックを受けて
立ち直れなくなるんじゃないかと、そんな予感がします。
そんなわけで、絶対足を踏み入れたくはないけど
だからこそ、怖いもの見たさ、の魅力があるのかもしれないですね。
過酷な現実の中で
子供のキラキラぶりは、すごかったですね。
豊かで安全で、それは皆が望むことだけど
豊かさが
なにかを奪ってしまうこともあるのかなぁ。。と、そんなことも思ってしまいました。
「仮面の男」今度観てみますね。
どんだけ渋くて素敵か、確かめてみます(笑)
投稿: チョコ | 2009/06/04 16:19
こちらではまだ上映してないのです(つд⊂)エーン
とちゅうはぶっ飛ばしてここまでたどりつきました(爆)
もう少し先のようですが、ちゃんと上映してくれる
ようで、ほっとしております。
上映してても、なかなか時間の関係から見れない映画
が沢山あるから、要注意ですけど・・・(^-^;
とても興味の湧く映画なので、出来るだけ
観れるように調整したいな。
アカデミー賞は伊達ではない事を期待して観ようって
思います。
そして、睦月さんの所では温かいメッセージ
ありがとうございました♪嬉しかったです(*^-^)
投稿: ばちろう | 2009/06/05 21:28
チョコ様
ホントに、インドって
爆発的なパワーと、圧倒的な魅力を感じますね。
それと同時に、気候も町も人も、
生半可な覚悟で行ってはいけない感がします。
確かに…
>豊かで安全で、それは皆が望むことだけど
豊かさが
なにかを奪ってしまうこともあるのかなぁ。。
その通りだと思います。
うまく言えないけれど、今の日本にないものが、
スクリーンの中にあった気がします。
そうそう、『仮面の男』の素敵なおじ様たち。
チョコさんに気に入っていただけるかなぁ~(笑)
投稿: ri | 2009/06/07 02:01
ぱちろう様
なかなか、観たい映画と自分の都合が、
うまくかみ合わないことが多いですよね~。
でも、この作品は是非みてほしいなぁって思います。
過酷で厳しい現実を突きつけられるんだけれど、
ピュアなストーリーもあり、
なんだか元気をもらえるような映画だと思います。
睦月さんのところでは、
言いたいこと好き勝手に言っちゃって。。。
でも、自分のペースでのんびり。
これって、結構大事な事だと思います。
私も、睦月さんのところが原点。
また、あちらでもお話しましょ♪
投稿: ri | 2009/06/07 02:17
riさん、お久しぶりです(゚ー゚)
読み逃げでした~。ごめんなさい。。。
私は、映画館で一人鑑賞でしたけど、
本当に良かったです!!!!
見終えたあとの爽快感、爽やかな気持ち☆
なにより、スラムの子供たちのキラキラした瞳が忘れられません☆
お約束のダンスも楽しかったです
「あれ、この人死んだんじゃ・・?」って人も大集合(笑)
投稿: のぞみ | 2009/06/18 10:27
のぞみ様
こちらこそ、ご無沙汰していてすいません。
私も、こちらは一人鑑賞でした。
>なにより、スラムの子供たちのキラキラした瞳が忘れられません☆
そうなの、そうなの!
私は、一番小さい兄弟を演じた二人の
キラキラした瞳に、釘付けでした。
素敵な素敵な作品でしたね。
そして、ダンス!
あれが始まるまでは、インド映画だってことを忘れてました。
ダンスが始まったとたん、あっそうだったよね~
って、何だか妙にウキウキしちゃうような魅力がありますよ。
あのダンスは!
投稿: ri | 2009/06/19 01:30