« Around birthday | トップページ | 5月に観た映画(2009) »

2009/05/31

スラムドック$ミリオネア

 

20090125111135_2 《劇場鑑賞》

 

 インド、ムンバイの熱い空気。

 アジア最大といわれるスラムの

 猥雑で、でも目くるめくような

 景色と時間。

 

 

 

 

今年のアカデミー賞で、8部門を獲得した作品。

久しぶりに、劇場に行ってきた。

 

 

 

インド、ムンバイ。
スラム出身の青年、ジャマールが警察で拷問を受けていた。

ジャマールは、国民的人気番組「クイズ$ミリオネア」に出演し、
あと1問で2000万ルピーという大金を手にしようとしていた。
だが、弁護士や医者などの高学歴のものでさえ、
到達できなかった最後の問題まで、なぜ彼は正解を重ねられたのか。

ジャマールの快挙が面白くない番組の司会者は、
不正を疑い、警察に通報したのだった。

どんな手を使って答えを知り得たのか。。。
学校へも行っていないスラムドック(スラムの負け犬)である彼が、
「答えは知っていた」と言う理由は何なのか。
警察の容赦ない取調べに対して、ジャマールは一つずつ語り始める。

それは、スラムで生まれ育った兄弟の、
過酷なまでの“理由”だった。

 

これは、
ジャマールと、兄のサリーム。
そして、同じく親を亡くしたスラムの少女、ラティカ。

三人のお話だ。

ジャマールとサリームが、スラムを駆け抜ける。
スピード感溢れる映像に、インドのパワーを感じる。
貧しいけれど、二人の瞳はキラキラと輝いているのだ。
母を亡くしても、へこたれたりはしない。
常に前向きに生きていくという事を、身をもって知っているように見える。

この兄弟の幼少期を演じた二人の少年は、
実際のインドのスラムの少年だという。
この二人の逞しく大きな瞳が、印象的だった。

 

だが、ジャマールが語るクイズの答えを「知っていた」理由は、
彼が生きてきた、過酷で厳しい現実を突きつけるものだった。

その一つ一つの過去の物語が、
知りたくなくても、クイズの答えを知ってしまった理由。
いつしか違う道を歩む事になってしまった兄サリームと、
生き別れになっても忘れた事のなかったラティカへの思い。

そして、彼がミリオネアに出場した本当の理由は、
それこそシンプルで真っ直ぐなものだったのだ。

 

インドのエネルギッシュで雄大な景色と空気。
スピード感溢れる映像と、それを倍増する音楽。
過酷な現実と、ロマンティックなお話。
インド映画らしいダンスシーン。

どれもが、今まで観た作品とは一味違った味付けだった。

 

また素敵な作品に出会えた。

ダニー・ボイル作品。

他はあまり観たことがないので、
また、レンタルに通うことになりそうな予感。。。

 

そして、やっぱり。

あの少年たちのピュアな瞳が忘れられない。。。

 

そうそう、最後のクイズ。

(ネタバレなので、未見の方はスルーしてください。)

 

 

 

 

 

ジャマールとサリームとラティカ。
幼い彼らは、三人を「三銃士」に例えていたっけ。
ほとんど行ったことがない学校。
たまたま行った学校で「三銃士」を読んでいたっけ。

 

「三銃士。アトス、ポルトスと、あと一人は誰?」

 

答えは。。。

はいっ、「アラミス」です!

 

レオ様よりも、とっても渋くて素敵だった、

ダルタニアンを加えた四人のおじ様たち。

『仮面の男』を思い出し、答えを叫んでいたのでした。

 

(あっ、もちろん声には出してませんよ!)

 

 

 

|

« Around birthday | トップページ | 5月に観た映画(2009) »

コメント

こんにちは。

インドって、なぜか魅力的ですよね。
たぶん、ヤワなワタシが気楽にふらふら行ったとしたら
ものすごいショックを受けて
立ち直れなくなるんじゃないかと、そんな予感がします。
そんなわけで、絶対足を踏み入れたくはないけど
だからこそ、怖いもの見たさ、の魅力があるのかもしれないですね。

過酷な現実の中で
子供のキラキラぶりは、すごかったですね。

豊かで安全で、それは皆が望むことだけど
豊かさが
なにかを奪ってしまうこともあるのかなぁ。。と、そんなことも思ってしまいました。


「仮面の男」今度観てみますね。
どんだけ渋くて素敵か、確かめてみます(笑)

投稿: チョコ | 2009/06/04 16:19

こちらではまだ上映してないのです(つд⊂)エーン
とちゅうはぶっ飛ばしてここまでたどりつきました(爆)

もう少し先のようですが、ちゃんと上映してくれる
ようで、ほっとしております。

上映してても、なかなか時間の関係から見れない映画
が沢山あるから、要注意ですけど・・・(^-^;

とても興味の湧く映画なので、出来るだけ
観れるように調整したいな。

アカデミー賞は伊達ではない事を期待して観ようって
思います。

そして、睦月さんの所では温かいメッセージ
ありがとうございました♪嬉しかったです(*^-^)

投稿: ばちろう | 2009/06/05 21:28

チョコ様

ホントに、インドって
爆発的なパワーと、圧倒的な魅力を感じますね。

それと同時に、気候も町も人も、
生半可な覚悟で行ってはいけない感がします。
確かに…

>豊かで安全で、それは皆が望むことだけど
 豊かさが
 なにかを奪ってしまうこともあるのかなぁ。。

その通りだと思います。
うまく言えないけれど、今の日本にないものが、
スクリーンの中にあった気がします。

そうそう、『仮面の男』の素敵なおじ様たち。
チョコさんに気に入っていただけるかなぁ~(笑)

投稿: ri | 2009/06/07 02:01

ぱちろう様

なかなか、観たい映画と自分の都合が、
うまくかみ合わないことが多いですよね~。

でも、この作品は是非みてほしいなぁって思います。
過酷で厳しい現実を突きつけられるんだけれど、
ピュアなストーリーもあり、
なんだか元気をもらえるような映画だと思います。

睦月さんのところでは、
言いたいこと好き勝手に言っちゃって。。。

でも、自分のペースでのんびり。
これって、結構大事な事だと思います。

私も、睦月さんのところが原点。
また、あちらでもお話しましょ♪

投稿: ri | 2009/06/07 02:17

riさん、お久しぶりです(゚ー゚)
読み逃げでした~。ごめんなさい。。。

私は、映画館で一人鑑賞でしたけど、
本当に良かったです!!!!
見終えたあとの爽快感、爽やかな気持ち☆

なにより、スラムの子供たちのキラキラした瞳が忘れられません☆

お約束のダンスも楽しかったです
「あれ、この人死んだんじゃ・・?」って人も大集合(笑)

投稿: のぞみ | 2009/06/18 10:27

のぞみ様

こちらこそ、ご無沙汰していてすいません。

私も、こちらは一人鑑賞でした。

>なにより、スラムの子供たちのキラキラした瞳が忘れられません☆

そうなの、そうなの!
私は、一番小さい兄弟を演じた二人の
キラキラした瞳に、釘付けでした。

素敵な素敵な作品でしたね。

そして、ダンス!
あれが始まるまでは、インド映画だってことを忘れてました。

ダンスが始まったとたん、あっそうだったよね~
って、何だか妙にウキウキしちゃうような魅力がありますよ。
あのダンスは!

投稿: ri | 2009/06/19 01:30

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: スラムドック$ミリオネア:

» 映画「スラムドッグ$ミリオネア」 [茸茶の想い ∞ ~祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり~]
原題:Slumdog Millionaire 最後の最後に緊張感を解き放ち、一気にムトゥ 踊るマハラジャの世界へといざなってくれる、召使から大地主への物語も似て歌と踊りのハッピーエンド・・・ イギリス発祥のテレビ番組クイズ$ミリオネア、世界中でローカ... [続きを読む]

受信: 2009/06/28 11:34

« Around birthday | トップページ | 5月に観た映画(2009) »