チェ 39歳別れの手紙
1965年。
「サトウキビ農場を視察に行く。」と言って、
ゲバラは、忽然とキューバから姿を消した。
色々な憶測が飛び交う中、
カストロは、キューバ共産党中央委員会で、
ゲバラの「別れの手紙」を公表する。
1966年、ゲバラは頭髪の薄い中年男、ラモンに変装し、
キューバの家族に別れを告げ、ボリビアに入国する。
ボリビアは、アメリカが支援するバリエントス政権が圧制をしいており、
農民やインディオたちは、貧困にあえいでいた。
ゲバラのもとには、革命に燃えるゲリラたちが集まってくるが、
ボリビア共産党の協力が得られず、カストロや国外からの援助も滞り、
ゲリラ軍は次第に孤立し、消耗していく。
キューバ革命が成功し、新政府の要職にあったゲバラ。
その約6年間の出来事は、作品の中では一切語られない。
『28歳の革命』と同様、いやそれ以上に、
淡々と、ゲバラと共に行動しているような錯覚を観客に与える。
よく言われているように、まさにドキュメンタリーのようだ。
どんな状況下にあっても、
規律を守り、平等で、子供に優しく、怪我人や病人は決して見放さない。
そんなゲバラの姿が、画面に映し出される。
そんな中で、ゲリラ軍の状況が、
日に日に切羽詰ったものになっていくのは、
観ていて辛くなるほど、火を見るより明らかなのだ。
エルネスト・“チェ”・ゲバラ
彼が、何を思って革命に身を投じ、何を思って最後の1年を生きたのか。
そして、故国アルゼンチンでもなく、英雄となったキューバでもない、
異国の地で、何を思って逝ったのか。。。
そんな事を考えながら、ゲバラの最後を観ていた。
これは、観客が、それぞれの感覚で、
それぞれのゲバラと革命を感じればいい、という事だろうか。
ソダーバーグは、「チェと共に革命を体験する」ことに拘ったらしい。
ゲバラは、革命を達成することなく、39歳で逝った。
彼が、カリスマと呼ばれ革命のシンボルとなった理由。
結局、私にはわからないままだった。


『伝説』になったのだろうか。。。。
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コメント
革命と生きた男・・
そんな「土くさい」男くさいところが
伝説になってるんでしょうね。
うちの主人も、この人の話はよく
調べてるらしいです。
私がこの人を知ったのは、ジョニーを通じて。
男性の中にある何か本能的なものを
かきたてる何かがあるのでしょうか。
気になっていた作品でした。
ソダーバーグ作品は、腹筋に力を入れて
ちゃんと観る!ってタイプのが多いので
今度時間つくって劇場に行ってみようかな?
レビュー参考になります。ありがとうriさん
投稿: NIMO | 2009/02/15 08:41
NIMO様
お返事遅くなってスイマセン。
やっぱり、チェ・ゲバラという人は、
何か大きな、人を惹きつける魅力を持っているのでしょうね。
特に男性にとっては、そうなのでしょうか。
>ソダーバーグ作品は、腹筋に力を入れて
ちゃんと観る!ってタイプのが多いので
確かに、この作品も、楽しく観れる
って訳じゃないけど、
あえて、こういう作りにした、
監督の意図が、しっかり汲み取れる作品だと思いました。
投稿: ri | 2009/02/18 00:05