きらきらひかる
(前略)
キラキラヒカルナミダヲダシテ
キラキラヒカルオンナハナイタ
入江康夫 ~キラキラヒカルより~
江國香織さんの小説、「きらきらひかる」。
このタイトルは、あとがきによると、
冒頭の詩よりの引用だということ。
タイトルに惹かれるように、
1冊の本を買った。
「きらきらひかる」
~江國香織~
1組の夫婦と、彼と彼女を取巻く人々のお話。
彼はホモ、彼女はアル中。
あまりにも突飛な関係。
そう見えて、何も特別な訳ではない。
ただ、ちょっと不器用で純粋で。
透明感溢れる愛のお話。
彼女が言う。
「銀のライオンの話を知ってる?」
銀のたてがみの白いライオン。
暑さや寒さで死んでしまう、草食のライオン。
「あなたたちって、銀のライオンみたいね。」
彼女が笑う。
「私たち、嘘をつくことなんて何とも思ってないもの。」
男と女、人と人。
大切なものは何なのか、考え直してみよう。。。
なんて思わせてくれるお話だった。
普段からじゅうぶん気をつけてはいるのですが、
それでもふいに、人を好きになってしまうことがあります。
誰かを好きになるということ、その人を感じるということ。
人はみんな天涯孤独だと、私は思っています。
~あとがき~より
これは強烈だった。
江國香織という作家の、感性が流れ込んでくるような言葉だと思った。
もちろん、お話自体も…なのだが、
この、あとがきの言葉は、一生忘れられない言葉になりそうだ。。。
そして、
なぜ、中身も見ずに、この本を手に取ったか。
1行目を読んで、「あっ、そうだったんだよね。」と、すぐにわかった。
人との出会いが、本との出合いも作ってくれたということか。
今日は、私も、
シーツにアイロンを掛けて、眠ろうか。。。
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コメント
こんにちわ。
riさんにお話したっけ?
私のHNの由来はまさにこの本なんです。
私、江國香織に20歳前後の頃にハマりまくって、
その頃出ていた分を全部読み尽くしました。
『きらきらひかる』はその中でもダントツに好きな作品で。
何よりも『睦月』という男があまりにも素敵だった。
もうずっと読んでないなあー。一行目ってなんだったっけ?
riさんの記事で、また読みたくなった・・・ホントに。
でもね、25歳過ぎたあたりにパタリと、
江國作品を読まなくなって。
そのときは、以前ほど彼女の作品を面白いと思わなくなってたの。
でも最近、久々にまた読み始めたんです。
やっぱり江國ワールドはいい。
柔らかくて厳しくて痛烈で優しい感性の世界が
ストレートに胸にきます。
『落下する夕方』、『ホリーガーデン』などは
オススメです。もし未読であればぜひ♪
投稿: 睦月 | 2008/10/17 09:53
そうそう、聞いたんだよ、睦月ちゃん。
酒飲みながらね!
だから、ついつい手に取ったんだと思うの。
1行目、
「寝る前に星を眺めるのが睦月の習慣で、」
って所を読んだ瞬間、そうだ睦月ちゃんの本だ!
って気がついたの。
私は、江國香織さんは初体験でした。
>柔らかくて厳しくて痛烈で優しい感性の世界
その世界に、私も嵌ってしまいそうです。
>普段からじゅうぶん気をつけてはいるのですが、
それでもふいに、人を好きになってしまうことがあります。
この言葉にはやられました。
久々に、やられた~~~って感じでした。
『落下する夕方』、『ホリーガーデン』も読んでみますね!
それにしても、
二人の“睦月”は、同じように繊細で透明。
やっぱり、似ているような気がします。
投稿: ri | 2008/10/17 21:47
riさん、こんばんは。
そっか~、この本が『睦月くん』だったのね!
私はアニメなのかなって思ってたの(汗)
失礼しました。
>普段からじゅうぶん気をつけてはいるのですが、
>それでもふいに、人を好きになってしまうことがあります。
>誰かを好きになるということ、その人を感じるということ。
>人はみんな天涯孤独だと、私は思っています
心に沁みました。
ステキな言葉を載せて下さってありがとう。
投稿: Rei | 2008/10/18 00:24
Rei様
そうそう、Reiさんと二人で、
実は睦月って言うのは、男性の名前で~
って話を聞いたんですよね。
ああ~~、なんだか遠い昔のような気がする。(涙)
ジョニーにも、Reiさんにも、睦月さんにも、
次は、いつ会えるんだろうなぁ。。。
この江國香織さんの言葉、沁みるでしょ。
>普段からじゅうぶん気をつけてはいるのですが、
なんてところが、いい!
なんだか、その感覚がすごく良くわかるような気がします。
投稿: ri | 2008/10/18 23:05