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2008/09/30

おくりびと

 

12c066db 《劇場鑑賞》

 

 日本の原風景のような景色と、

 日本人の心のあり様。

 私もやっぱり、

 いや、紛れもなく日本人。

 

 

 

 

 

 

小林大悟(本木雅弘)は、チェロ奏者。
やっと憧れのオーケストラ奏者の職に就けたと思ったのに、
突然、楽団が解散してしまう。

自分の才能に限界を感じていた大悟は、
妻の美香(広末涼子)とともに、故郷の山形に帰る決心をする。

女手一つで大悟を育てた母は、数年前に他界していた。
その母が残してくれた家に落ち着き、
仕事探しを始めた大悟は、ある新聞記事に目を留める。

その条件の良さに、半信半疑ながらも、
NKエージェントなる会社を訪問した大悟は、
社長(山崎努)の強引さに押し切られ、
仕事内容もわからないまま、入社することになる。

その仕事は、なんと「納棺師」だった。

 

子供の頃の、おぼろげな記憶のお葬式は置いといて。

私は、二人を送り出した。

 

   父 と 義父。

 

父は、ガンである程度覚悟はしていたし、
義父は、突然ではあったものの、88歳という大往生の年齢。

だから、どちらも泣き喚くような「死」ではなかったが。

『死』というものに接しての哀しみは、
その直後にくる、一連の儀式の諸々の対応で、
とりあえずは、どこかに置いてきぼりになる。

その慌しさの中で、唯一、静かな気持ちになれたのは、
「納棺」の儀式の時だったような気がする。

というか、この作品を観て、「ああ、そうだった。」と、
その時の情景と気持ちを、思い出した。

地方によって違うのかどうかはわからないけど、
私の田舎では、たいてい亡くなって一晩は納棺しない。
その間に、親戚や近所の近しい方たちがお別れに来てくれる。

そして、通夜の日に「納棺」になる。

父と義父を送り出す手伝いをしてくださった方が、
葬儀屋さんの人なのか、それとも、
この作品のような専門職の人なのかはわからないけれど、
布団に寝かせられていた時よりも、お棺に入った後のほうが、
今にも起きてきそうな顔をしていたのは、確かだったような気がする。

 

この作品は、
人それぞれに、自分の周りの人たちのことを、
改めて思い出させてくれる、そんな作品なのかもしれない。

 

最初は戸惑っていた大悟も、
「納棺師」という仕事の意味を、肌で理解するようになる。

でも、美香には仕事の内容を伝えられないでいた。

夫が「納棺師」をしていると知ったときの美香の態度も、
それはそうだよと、思ってしまうのであるが…

ただ、この作品は、登場人物たちの気持ちの変化を、
淡々と、ユーモアを交えながら、押し付けることなく描いていく。

だから、尚更、
涙が止まらなくなるのかもしれない。

 

それにしても、本木雅弘さん。。。 もっくんは、
日本人俳優としては、断然“絵”になる存在だ。

 

  「納棺師」の、美しいともいえる一連の所作も。

  父親の死を前に、頬を伝わる涙も。

  山形の自然の中で、チェロを弾く姿も。

 

何事も、見事なまでに“絵”になる。

以前、クイズ番組で、
「和製ジョニー・デップといえば誰?」なんて問題があった。
この時の答え、というかアンケートで一番だったのが、
オダギリ・ジョー君だったのだが、
会社の後輩と、

  「いやいや、あれは違うよね!」
  「しいて言えば、誰やろ?」
  「もっくんだよ、絶対!」

なんて会話を交わしたことを思い出した。

そもそも、「和製○○」だとか、「ポスト○○」なんて事に、
意味があるとは思えないのだが、
もっくんが、日本人としては稀有な、

  「美しく、色気があり、絵になる男」

だということは、確かだと思う。

 

そして、世界一の「美しく、色気があり、絵になる男」は、

  “ジョニー・デップ” 

だと、私は確信しているんである。

 

 

と、またまた話がそれてしまった。

この作品は、モントリオール映画祭でグランプリに輝き、
話題になっているからだろうか、
田舎のシネコンは、思った以上に混んでいて、
普段、映画館にはほとんど足を運ばないであろう中年夫婦や、
もっと年配の方々も結構多く、
必要以上の笑い声や、途中で鼻をかむ音など、
少々気になったりしてしまった。(苦笑)

 

なにはともあれ、

日本人の心のあり様、
なつかしいような風景と、心に滲みる音楽。

何もかも、自分が日本人であることを、
あらためて意識させられるような、素敵な作品だった。

 

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コメント

こんばんは。

私も、自分のいろいろなことを重ねて観てしまいました。
泣いたり笑ったりで大忙し。
観客の年齢層がいやに高いなーと思っていたのに
見事に溶け込んでいる私なのでした。あらあら。。

もっくん。。なんて呼んじゃいけないですね。
シブガキ隊(だったよね?)の他の二人が、どことなく生活観を漂わせて『いいお父さん』してるのに
彼だけは、どこか凛と『男』のような感じがします。
でも、きっと家ではいいお父さんなんだろうけどね。
そういうところもジョニーと似てるのかな?(笑)

年齢を重ねて美しくなる男。
スクリーンの中でしか会えないけど
そういう楽しみな男がたくさんいるのは喜ばしいことですね♪

投稿: チョコ | 2008/10/07 19:41

riさん、おはようございます。

この映画は見たいな~と思っていましたが、
あれこれ雑用でなかなか足を運べません。

最近TVでもっくんを目にして、
若いころから美しかったけど、より深みを感じさせるようになっていて驚きました。
飄々と生きてる感じが素敵ですね。

この先もずっと楽しみに出来る俳優の一人ですね。

投稿: Rei | 2008/10/08 09:50

こんにちわ。

そうそう。
和製ジョニー=本木さん。
私もそう思っています。

本木さんって、そんなに露出は多くないのに、
確実にキャリアを重ねて、確実に艶も色気も増している役者さん
ですよね。

派手ではないのに、誰もがその名を知っていて、
彼の存在感には誰もが確実に納得させられる。

芯があって、決してブレずに淡々と演じることを愛する彼は
ジョニー・デップと重なります。

ってか、
ジョニーだって、モックンのように在り続けることも出来た
はずなのに・・・なんだか今は、何かが違い始めている気が
します。そんな風に思うのはきっと私だけかもしれないけれど。


あー!!!
『おくりびと』の話、一つもしてないや~(涙)。

ごめんね、riさん。

でもこの作品、とても良かった。
理屈抜きで、泣かされてる感なしで、
あんなに映画で号泣できたのは久々だったから。

長々と失礼いたしました。

投稿: 睦月 | 2008/10/08 17:24

チョコ様

お返事遅くなってすいません。

>自分のいろいろなことを重ねて観てしまいました。

そうなんですよね。
この年齢になると、送り出した人もあり、
どうしても、そのときの事を思い出しながら見てしまいました。

もっくん、いえいえ本木さんは、
ホントに、素敵な年齢の重ね方をしてくれていると思います。
日本人じゃ、なかなか綺麗で色気のある男は少ないですもんね。

>そういう楽しみな男がたくさんいるのは喜ばしいことですね♪

そうそう、楽しみは多ければ多いほど嬉しいものです。

チョコさん。
いろんなお話したいことがあるんですが。。。

また、メールさせていただいていいですか。

投稿: ri | 2008/10/09 13:57

Rei様

この作品は、DVDでもいいから、
是非ご覧になってください。良いです、とっても良いです!

そして、本木雅弘さん、もっくんも、
良いです、綺麗です、セクシーです!

>飄々と生きてる感じが素敵ですね。

そうそう、これキーポイントですよね。
しっかり良い作品を選んで、
素敵に歳を重ねている感があります。

彼って、ジョニーと2歳しか変わらないんですね。
私、もっくんは、まだ30台かと思ってました。

ジョニーも若いと思うけど、もっくんは、もっと若いかも。。。(驚)

これからも、ず~っと見続けていきたいですね♪

投稿: ri | 2008/10/09 14:07

睦月様

睦月ちゃん。いつも、ありがとーね!

>そんな風に思うのはきっと私だけかもしれないけれど。

睦月さんだけじゃないよ。
メジャーになってからのジョニーしか知らない私でも、そう思うもの。

>派手ではないのに、誰もがその名を知っていて、
 彼の存在感には誰もが確実に納得させられる。

これって、
まさにジョニー・デップのことだったはずの言葉ですよね。

>何かが違い始めている気がします。

これだけ世間の注目を浴び、世界一の人気者になってしまうと、
いくら静かに淡々と…と思っても、一挙手一投足が派手なニュースになってしまう。
ジョニーが、それを積極的に望んでいるとは思いたくないけれど、
積極的に回避している訳でもなさそう。。。だから不安になるんだよね。

でも、多分、ジョニーはこんなお祭り騒ぎがいつまでも続くことがない、
ということも、十分承知してくれていると思うのです。
でも、長いからな~。
いつになったら静かになるのか、見当も付かない事態に陥ってますものね。

私も映画と関係ないことを、長々と書いてしまいました。
あ~~、睦月ちゃんと会って、そんなこんなを語り倒したいなぁ!

投稿: ri | 2008/10/09 15:02

riさん。こんばんわ☆

わたしも10年前に父を亡くしています。
父親っ子だった私は、私を溺愛した父が
冷たくなっている姿を直視したくても
できないほど、気が狂ってしまいました。
悲しいという言葉には到底値もしないほどの
痛みにちかいほどの辛さでした。
あれから10年・・悲しさの中でも強く生きている母の
支えもあり(本当は私が支えてあげるべきなんでしょう)
なんとか、ここまで来ています。この映画を観る勇気も
正直もてないかもしれません。でも、数日前
緒方拳さんの生き様と死に様を報道で知って
「生きる」という価値と「死ぬ」という価値が
同じように美しいものだと気づきました。
もう少し大人になったら、この映画を観てみようと
思います。ジョニーデップはこの世のどんな宝石より
美しいです。無二の存在ですね^-^

投稿: NIMO | 2008/10/10 22:49

NIMO様

NIMOさんは、ブログの言葉からも伝わってきますが、
きっと、感情の豊かな方なんだろうなぁ~、と勝手に想像しています。

私はね、どっちかいうとドライというか、
よく言えば冷静、ホントは冷たい女なんだろうな~。

私も父親っこでした。
私はね、自分でも意外なほど冷静だったなぁ、と思い返しています。
ただ、父のいなくなった実家には、なんとなく行く回数が減りました。
母には申し訳ないのですが、弟家族と同居なのでまかせっきりです。

どうしても、自分の近しい人の「死」を思い出してしまうこの作品は、
NIMOさんにとっては、お辛いかもしれませんね。

ただ、湿っぽさとか暗さは、全く感じさせない作品です。
なんていうか、全てにおいて「美しい」作品です。

いつか、NIMOさんもご覧になられる日がくるといいな~と思います。

投稿: ri | 2008/10/11 02:07

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□作品オフィシャルサイト 「おくりびと」□監督 滝田洋二郎 □脚本 小山薫堂 □キャスト 本木雅弘、広末涼子、山崎努、余貴美子、杉本哲太、吉行和子、笹野高史、峰岸徹、山田辰夫 ■鑑賞日 9月14日(日)■劇場 チネチッタ■cyazの満足度 ★★★★☆(5★満点、☆は0.5)<感想> 普段、遺体を棺に納める“納棺師”という言葉すら、耳にすることは少ない。 この映画は東京で楽団解散をきっかけにチェロ奏者の夢をあきらめ、故郷の山形に帰って来た小林大悟(本木雅弘)がある求人広告を見つけ、何が因果か再就職... [続きを読む]

受信: 2008/10/08 21:28

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▼動機 連れてってと言われたので ▼感想 美しき日本の様式美 ▼満足度 ★★★★★☆☆ なかなか ▼あらすじ 楽団の解散でチェロ奏者の夢をあきらめ、故郷の山形に帰ってきた大悟(本木雅弘)は好条件の求人広告を見つける。面接に向かうと社長の佐々木(山崎努)に即採用されるが、業務内容は遺体を棺に収める仕事。当初は戸惑っていた大悟だったが、さまざまな境遇の別れと向き合ううちに、納棺師の仕事に誇りを見いだしてゆく。 ▼コメント タイトルに込められた意味と意思。 「納棺師」ではなく「おく... [続きを読む]

受信: 2008/10/24 22:19

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