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2008/05/31

最高の人生の見つけ方 ~そして私の場合~

 

20080511083011 《劇場鑑賞》

 

 劇場で予告編を観た時から、

 これは観ずにはいられない!

 と、とっても期待していた作品。

 やっぱり期待は裏切らず、

 というか、名優二人は、

 やっぱり最高!

 

 

 

 

引退間際の自動車修理工、カーター(モーガン・フリーマン)。

長年連れ添った妻を誰よりも愛し、子供や孫にも恵まれていた。
45年前、彼は夢と希望に溢れる、優秀な大学生だった。
でも、子供ができたことで、大学を中退し全ての夢を諦め、
自分の事は後回しにし、家族のためひたすら真面目に働いてきた。
そんな人生を決して後悔はしていなし、自分は幸せだと思っているが、
すこしだけ寂しさを感じることもある。

一代で財を成した億万長者、エドワード(ジャック・ニコルソン)。

有能な部下はたくさんいるが、ワンマン経営者の彼を、
心から愛するものは、誰もいなかった。
家族とは絶縁状態、楽しみは会社を大きくすることと、
「コピ・ルアク」という高価なコーヒーを楽しむこと。
自分にできないことなどなにもない、満足のいく人生だと思っていた。

そんな二人が、病院で相部屋となったことから始まる物語。

 

ガンと診断され、同じ病院の隣同士のベッドになった二人は、
一方は静かにこっそりと、もう一方はド派手に抗がん剤治療に苦しむ。
一方は家族が代わる代わる見舞いに来るが、一方は秘書だけ。
周りを気遣い遠慮するカーターと、わがまま放題のエドワード。

何もかも正反対の二人だが、次第に妙な親近感が生まれてくる。
そして、二人とも余命が残り僅かという現実を突きつけられる。

そんな時、カーターが書いた「棺おけリスト」を見つけたエドワードは、
そこに自分のリストも加え、病院を飛び出してそれを実行しようと、
カーターを促すのだった。

最初は、ありえないと言うカーターが、やっぱり決心したのは、
諦めることに何の抵抗も感じなくなってしまっていた自分の人生を、
最後に何か変えたかったんだと思う。

リストに書いたことも、当然正反対。
哲学的なことを書き込んだカーターに対し、エドワードは超現実的。
カーターが、「お前、どれだけ金持ちなんだ…」と呟くとおり、
一般庶民にはありえない状況で、スムーズにリストが実行されていく。
その中で、お互いが自分の人生に何が足りないと感じていたかを知る。

「死」を前提にした作品。
でも、暗さや湿っぽさは全く感じない。
むしろ、生き生きとした生命力さえ感じる作品。
ユーモアに富んだ会話と、心に残る言葉と、
名優二人の実力をしっかりと感じられた、素敵な作品だった。

 

*****************************************************

 

それにしても、
こんなに「死」というものを、前向きに受け入れられるものだろうか。

時々、映画の中では、キリスト教の「死」というものは、
日本人の「死」にたいする考え方とは、違うんだと感じることがある。

神や天国を信じる宗教観が、そうさせるのか、
単純にお話の世界なのかは、わからない。
そして、自分がそうなった時、「死」を前向きに受け入れられるのだろうか…

私は、自分は大丈夫と思っていた。

もちろん、
年齢や状況にもよるだろうが、冷静に受け止められる人間だと思っていた。

 

私は健康だけには自身がある。(もちろん今もなのだが。)
そして、いつもお付き合いくださり、このブログを読んでくださっているのが、
ほぼ女性だという前提で書いちゃいます。
男性のかたでリアルすぎる、と思ったらスルーしてください。(笑)

 

 

 

4年前。

もともと、生理は順調なほうでもなかった。
でも、ちょっとおかしい、今までとは違う。。。と思い、病院へ行く決心をした。
といっても、母がそうであったのと、
そこそこの知識は持っていたつもりだったので、
暗に、「子宮筋腫」だろうと思っていた。
筋腫ならば特に治療する必要もないかもしれないが、
確認のため、一応病院へ行っておこうと。

  「子宮筋腫は、あります。
  筋腫はこのまま様子をみて問題ありませんが。。。
  卵巣がちょっとねぇ。とりあえず、MRI検査を受けてください。」

と言われた。
寝耳に水。思ってもみない展開だった。

うちのダンナ様は心配性だし、
私自身も細かく説明するのも面倒な気分だったので、
一人でMRI検査を受け、一人で結果を聞きに行った。

  「一人ですか?」
  「はい。」

一人じゃダメなんかい!と思いつつ、受けた説明は、

  「卵巣に腫瘍があります。
  MRIを見ただけでは、良いものか悪いものか判断がつかないので、
  お腹を開けてみて、どちらか判断することになります。
  うちの病院では、術中の病理検査ができないので、
  できる病院に紹介状を書きますね。」

  「手術ということですか?」

  「そうですね。
  どちらにしても、手術でとった方がいいですね。」

というもの。
「悪いもの」って、どういうこと!?
って、頭がフル回転しているようで、思考が止まっていたような気がする。
「ガン」という言葉を、意識的に意識しないようにしていた。

卵巣腫瘍には、のう胞性と充実性があり、
前者はほとんど良性で、後者は悪性の可能性があるものらしい。
私の場合は後者。
でも、卵巣腫瘍の悪性の割合はとっても低いこと、
腫瘍マーカーの数字も悪性ではないが、全く正常とも言い切れないこと、
などの説明を受けたが、慰められているのかなんなのか…

  「そう心配しなくても大丈夫だから。」

と、紹介状を渡された。

 

私は、自分では半分ほどは、男なんじゃないかと思っている。
グズグズ言うのもきらいだし、理性的なほうだとも思っている。 
要は、キツくて可愛げのない性格なのだ。 

この時も淡々と先生の言葉を聞いて、
ダンナにも、平静を装って、「来週、○○病院に行ってくる。」と言った。
一緒に行こうかというダンナの言葉を断り、
紹介された病院へも一人で行った。

診断は全く同じ。
「手術日の希望はありますか?」と聞かれ、
さすがに、「主人と相談してお返事します。」と答えた。

  「それじゃ、次回は必ずご主人と一緒に来てくださいね。」

と言われた。そりゃそうか、あんまり一人では来ないものかも。
あっという間に、入院・手術が決まってしまった。

ネットでも検索しまくった。
手術を経験した方のブログも読んだ。

悪性と決まったわけではない。可能性としては低いのだ。
ダンナには平気な顔をしていたし、大丈夫だと言い聞かせてもいたが、
手術までは、時々相当に凹んだ。

凹む。。。と言うより、自分の感情のコントロールができない。
どうしようもなく泣きたくなったり、何にもやる気がなくなったり。
よし、もう大丈夫。なるようになるさ!
と割り切ったつもりでも、また逆戻り。。。を何度繰り返しただろう。

私の場合、それを外に出すことができない性格なんだな、これが。
なかなか、やっかいな性格だ。

そして、手術。
出産以外で入院するのは初めての経験。

 

結果は良性。

子宮内膜症が卵巣にできる、「チョコレート嚢腫」というものだった。
チョコレート嚢腫は、たまに充実性腫瘍に見える事があるらしい。

  「内膜症で癒着が酷くて、剥がすのが大変でしたよ。
  これだけ癒着してると、生理痛が酷くなかったですか?」

と先生に言われたが、どうやら私は痛みに鈍感なほうらしい。
そして、何の問題もなく10日ほどで退院することができた。

 

可能性が低いと言っても、
「お腹を開けてみないと、良性か悪性かわかりません。」
と言われたら、人間って悪性かも。。。という思考ばかりが働くものだ。
たったこれだけのことでも、ジタバタしてしまうのだ。

それが、「余命6ヶ月です。」と言われたら、どうなんだろう。
私は、彼らのように前向きな「死」を受け入れられるのだろうか。

想像ができない。

4年前の経験で、根拠のない自信は吹き飛んでしまっている。

でも、この作品を見て、4年前のことを思い出し、
「棺おけリスト」に何を書けるか、「死」を受け入れられるか、
今は想像もつかないけれど、
その時がやってきた時に、少しでも後悔しない様にしておこう。
遅すぎることなんて、絶対にないのだから!

そう確信できたのだった。

 

 

     お話が、かなりズレてしまったかもですね。

     脱線話にお付き合いくださって、ありがとう!

     女性の皆様!

     気が重くても、検診は受けましょう。(経験者談。 笑)

 

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コメント

riさん、こんばんは。
この作品は睦月さんのレビューを拝見して見たいと思ってました。
そしてriさんにもご紹介頂いて、早く観なければ!と思いを募らせてます。
時間が出来ればぜひ♪

riさん、大変な想いをされたんですね。
誰だって病院でそのように言われれば悪い方へ考えてしまいます。
大事に至らなくて何よりでした。

私も先日子宮がん検診を受けました。
症状がない時にこそ検査を、というのは分かっているつもりですが、
何でもない時の病院の検査ほど億劫で面倒なものはありませんよね。

『健康はお金で買えるけど命は買えない』という言葉を目にしました。
今年は市の検診に各種申し込み済みです。
もう検診はやり過ごせない年齢なので心して受けたいと思ってます。

投稿: Rei | 2008/06/03 21:45

こんばんわ。

映画のことよりも、riさんの経験談の方が興味深くて
一気に最後まで読んでしまった。
なんだかとてもリアルに伝わってきて、ドクンドクンして
しまったよ・・・。
とにかく良性でよかった・・・それに尽きます(涙)。

ウチも、ママとばあさんがやっぱり子宮関係で苦労していて。
あれって遺伝らしいので心配になり、数年前に一度私も
検診を受けました。そのときは全く異常がなかったのだけれど。

その前に、最近、肺が痛くて仕方ない・・・。
タバコのせい?肺ガン?などと考えただけでゾっとして
涙がこみあげてくる始末です。

健康が何よりの宝という言葉は、ある程度年齢を重ねないと
絶対に分からないものですよね。

実は諸事情で、2年以上健康診断を受けてないので、
今年は何が何でも受けないと・・と思っています。

生きるのは面倒臭いなって思うこともあるけれど、
でも死ぬのはもっとしんどいです(大泣)。

投稿: 睦月 | 2008/06/05 22:49

こんばんは。
わたしも、今は何の自覚症状もないですが、
母も、今のわたしと同年代で、良性とは言え、手術した経験があるので、
絶対に心配はないとは言えないのです。
婦人科に限らず、何の心配もないとは言えないし、
自分の命の刻限を知ることがあったら、どう受け入れるのか…
おそらく、今の想像とは違う反応で、ジタバタしそうな気もしています。

けれど、だからこそ。
これからの日々を、少しでも納得がいくように生きていくことで、
「これまで楽しく、頑張って来たじゃないの」と
ジタバタする自分に言い聞かせようとしているかもしれません。

投稿: 悠雅 | 2008/06/06 21:41

Rei様

お返事遅くなってすいません。

なんだか、映画のレビューのはずが、
お話が、違う方向へ行ってしまいゴメンなさい。

でも、なかなか素敵な作品でしたよ。
Reiさんも、お時間ができたら是非ご覧になってください。

>『健康はお金で買えるけど命は買えない』

そうそう、そんな事を実感できる年齢になってきました。
でも、いつまでたってもジタバタしてしまいそうですが…

Reiさん、女40代!
益々、パワーアップしていきましょうね♪

投稿: ri | 2008/06/08 22:45

睦月様

お返事遅くなってしまいゴメンなさい。

映画レビューのはずが、長々と脱線してしまいました。(苦)
でも、この作品を観たら、何となく思い出し、
自分だったら。。。と、改めて考えさせられてしまいました。

8割方、良性だろうとは思っていたのですが、
開けてみないとわからないとか、手術中に病理検査をしてみないと…
なんて言われるとねぇ~。。。

睦月さんも、大丈夫?
私も、やっと最近「健康が一番」って言葉を実感できるようになりました。

このおじさんたちのようには、いかないかもしれないけれど、
その時を迎えるまでは、精一杯大好きなことをやっていきたいと思います。

睦月ちゃん、また会いに行くからね♪

投稿: ri | 2008/06/08 23:17

悠雅様

お返事遅くなってしまい申し訳ありません。

私と同じような体験をしてらっしゃる方はたくさんいるだろうし、
もっともっと大変な思いをしてらっしゃる方もいるでしょう。

何はともあれ、自分に与えられた人生を、
精一杯楽しんで、その時を迎えられたらいいなぁと思います。

>自分の命の刻限を知ることがあったら、どう受け入れるのか…

まだ、とうてい準備はできていないけれど、
いつか、この時が来ることも事実。
これから先の時間も、誰にもわからない。

だからこそですよね。

その時を迎える時に、ジタバタしつつも、
心安らかに迎えたいものです!

それと、どうもライブドアとの相性がよろしくないようで、
どうしてもTBがとびません。
ごめんんさい。。。

投稿: ri | 2008/06/08 23:32

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