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2008/04/21

フィクサー

 

Kc380086_p 《劇場鑑賞》

 

 マイケル・クレイトン。

 「フィクサー」。

 「もみ消し屋」。

 それぞれの立場の人間の

 心理を描いた作品。

 

 

 

 

ニューヨークの大手弁護士事務所に所属する
マイケル・クレイトン(ジョージ・クルーニー)は、
“フィクサー”と呼ばれる、もみ消しのプロ。

長年事務所に勤めながら、ボス直属の汚い仕事に手を染めるクレイトンは、
パートナーに昇進することもなければ、
訴訟弁護士に戻ることも、事務所を辞めることもできずにいた。

ある日、友人で同僚弁護士のアーサー(トム・ウィルキンソン)が、
大規模薬害訴訟の係争中に、奇行を起こしたと連絡を受け、
クレイトンはもみ消しを依頼される。

アーサーは、依頼人の農薬会社U・ノース社の
恐るべき秘密を知ってしまったのだった。
一方、U・ノース社の法務部長、カレン(ティルダ・スウィントン)も、
秘密をもみ消すべく動き出す。

 

「マイケル・クレイトン ―
罪を消したければ、彼に頼め。」

このコピーを見れば、どうしたってジョージ・クルーニーが、
“フィクサー”として、颯爽と活躍する作品だと思ってしまう。

まず、始まりは“もみ消し”の依頼人のところへ、
クレイトンがやってくるのだが、
その様子で、彼の仕事に対する様子が見えてくる。

この作品は、颯爽とした弁護士の物語などではなく、
一人一人の人間の、心の葛藤を描いた作品だった。

 

仕事に行き詰まり、私生活も家庭もうまくいかず、もがき苦しむ男の姿。

良心の呵責に耐え切れず、自ら壊れていく男の姿。

仕事の重圧に押しつぶされそうになりながら、
地位への執着が捨てられず、道を踏み違えていく女の姿。

自分の城を守ることだけが全ての男の姿。

 

ただ、私は…

序盤は、完全に物語りに置いてかれてしまった。
最初の場面から、4日前に遡り始まる物語は、
時々“?”がつき、それを考えているうちに次に進んでしまう。

クレイトンの心が変化する象徴的なシーン…
アーサーと少女の繋がり…
それらは、もう一つピンと来なかった。

中盤以降、物語の脈絡がなんとなく見えてきてからは、なんとか取り戻し、
見終わった後に、あぁ~そうだったの!と気付いたり。

物語の展開や結末は、王道的でさえあり、
目新しいものではない。

ただ、丹念に心を描いていくことで、
アメリカの社会と法曹界の裏側が、しっかりと浮き彫りになり、
それぞれのキャストの素晴らしい演技で、
それぞれの立場と心理が、表現されていたと思う。

  

置いていかれたり、もしかしたら見逃してしまった部分も含め、
もう一度観たい。。。と、観終わってすぐ思った作品だった。

 

ジョージ兄貴は、
『オーシャンズ』のように颯爽としてお洒落じゃなかったけど、
無精ひげで苦悩する姿がカッコよかったわ!

 

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コメント

こんばんは♪

TBありがとうございます。

ワタシも。。あれ?思ったのと違うようだぞ。。
と面食らってるうちに
話においてかれそうになり
必死でついていきました。

観終わった後は
「ああ。。あの時、睡魔に負けないで最後まで見続けられて良かった。。」みたいな妙な達成感もありました(笑)

いつものことで、難しいことはよく分からないのですが
程度の差はあれ、仕事をしていると「組織」が第一になり
一般の感覚とはかけ離れていくことがあるみたいですね。
最近、ニュースを見てると
そんな感覚のズレを感じることばかりで
腹立たしいを通り越して、あきれた気持ちになることもあります。

あら。。映画から離れたコメントでごめんなさい(苦笑)


投稿: チョコ | 2008/04/23 23:30

チョコ様

やっぱりね、結構同じような感想を
もたれた方が多いような気がしますね。

私も、前半は必至でついていった感じでした。

最近のニュース。
一番頭にきたのが、国民健康保険団体の職員の
10億円の横領事件です!
横領したことも問題外ですが、
会見していたおエラさんが、質問に笑いながら答えていたのには、
あきれて物が言えない!状態でした。

「チェック機能は、合ったのはあったんですが…」
って、笑っていう事か!

すいません、私も映画とは関係なくて。(苦笑)

投稿: ri | 2008/04/25 00:22

こんにちわ。

riさん、何かあった?
最新記事を読んで、消耗しているのではないか?と
とても気になりました・・・大丈夫なの?


この作品、一見、法律サスペンスものを思わせておきながら
しっかりと地に足のついた人間ドラマが主となっていて
大変見ごたえがありました。

やっぱりね、組織の一員として働いている身からすれば
彼らに共感したり、仕方ないことだよと思ったりしている
自分がいたりして・・・。
ちょっと複雑な構成と演出に焦ったりしましたが、
見終わってみれば実に丁寧に作りこまれた物語だったので
非常に良く出来た1作だったなあって思います。

ところで、掲示板への第一号書き込み、
ありがとうございます!
結局告知しちゃったよ(苦笑)。あまりにも閑散としてて
寂しい状態だったので(涙)。

気が向いたときにでもまたぜひお話させてくださいね。

あと、riさん。
・・・どうか元気になってほしいです。

投稿: 睦月 | 2008/04/25 14:42

睦月様

私ね、結構立ち直り早かったりするのです。
なんだか、自分の気持ちにケリをつけたかったので、
記事を書きました。

会社に行くと、まだゴタゴタしたりで凹むこともあるけれど…
でも、大丈夫。

睦月さん、ありがとう。

ところで、この作品。
序盤は置いてけぼり感が、けっこうあったのですが、
もう一度観たい!と思ったのも事実。
丹念に作りこまれた作品、という感じでした。

最近、観たいと思った作品がやってないことが多くて。(涙)

『スルース』『つぐない』『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』。
ぜ~んぶ県内の上映予定がないようです。(大泣)

あっ、それと掲示板、こちらこそありがとうです。
またお邪魔してしまいました。(笑)

投稿: ri | 2008/04/27 01:32

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ニューヨークの大手法律事務所でフィクサーとして活躍するマイケル・クレイトン(ジョージ・クルーニー)。ある日、農薬会社U−ノースが訴えられていた巨額の訴訟問題の担当弁護士アーサー(トム・ウィルキンソン)が、原告との協議の大詰めに突然服を脱ぎだすという奇行を起す。事態を収拾することを命じられたマイケルは動き出す。そして、U−ノース社の敏腕弁護士カレン(ティルダ・スウィントン)も動き出す。フィクサーというのは、公に出来ない案件を密かに穏便に処理する役目の人のことを言うらしい。この「フィクサー」という題... [続きを読む]

受信: 2008/04/23 23:31

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