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2008/03/31

潜水服は蝶の夢を見る

 

00002257nlsized_2 《劇場鑑賞》  

 体は、

 潜水服に縛られているようでも、

 心は、

 蝶のように自由。

 心を縛ることは

 誰にもできやしない。。。

 

 

 

ジャン=ドミニク・ボビー(マチュー・アマルリック)は目覚める。
ぼんやりとした視界の中に、徐々に見えてくるのは…

どこ?

だれ?

なぜ?

「わかりますか?」
医者の問いかけに、答えているのに通じない。

ジャン=ドーは、脳梗塞で倒れ生死の境をさまよっていたこと、
さらに、意識や知力は元のままなのに、
左目の瞼以外は全く動かない状態、
ロックト・イン・シンドローム(閉じ込め症候群)であることを知らされる。

言語療法士のアンリエットは、
アルファベットを一文字ずつ読み上げ、
瞬きで伝えたい文字を示すと言う方法を、ジャン=ドーに教える。

そんな彼女に、ジャン=ドーが伝えた初めての意志。
それは、「死にたい」という言葉だった。

 

いろんなサイトやレビューで、
この作品が、ジャン=ドーの視線で描かれていることは知っていた。

ぼんやりとした視界、目の前に迫る他人の顔。
ベッドから見る景色は、角度がまるで違うのだ。
それは、ジャン=ドーのおかれた状況を、
とても効果的に見せてくれる。

体はベッドに縛り付けられ、一歩も動くことは叶わないのに、
心は、過去に創造に、いくらでも飛び立てる。

 

フランス版ELLE誌の編集長として、
ファッショナブルな洋服に身を包み、高級車に乗り、
仕事も女性関係も、順風満帆だった生活から一転。

「もう、自分を哀れむのはやめよう。」

ジャン=ドーが、そう決心するまでには、
私たちが想像もつかない葛藤があったはずだ。

でも、物語はそのあたりは、さらっと流してくれる。
だからこそ、私たちはジャン=ドーと一緒に、
重い潜水服を脱ぎ捨て、蝶のように飛び立てるのだ。

 

*******************************************************

 

重く悲劇的な内容なのだが、
ジャン=ドーの視線が、美人療法士の胸の谷間に釘付けになったり、
観たくもないテレビを、延々流されてグチってみたり、
大好きなサッカーの試合のテレビを消されて、毒づいたりと、
ユーモアに溢れている。

いくら話せないからといって、
奥さんに、そんな事させるなんて!と、私が毒づいたり。(笑)

 

そして、

画家でもあるジュリアン・シュナーベル監督の作り出す映像は、
絵画のようであったり、夢のようであったり、
また、現実味に溢れていたり。

どこまでも美しい作品だった。

 

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コメント

こんばんわ。

よかったー。
riさん、無事に観てこれたんですね。
不思議な魅力を持った作品でしたでしょ?

今までの映画にはないようなすごく斬新な演出と
映像美が印象に残る1作でした。

ジョニーが2007年マイベストムービーにあげていた作品
でしたけれど・・・。
なんかね、「ああ。やっぱりジョニーさんって
こういう映画が好きなのねー」って思いました(笑)。

逆に『ダイ・ハード』とか『ロッキー』とか
王道のハリウッド大作をマイベストにあげてくれた方が
面白いのになって、あまのじゃくな考え方をしちゃったり
して(苦笑)。

投稿: 睦月 | 2008/04/03 23:41

睦月様

お返事、とんでもなく遅くなってしまいゴメンなさい。

>「ああ。やっぱりジョニーさんってこういう映画が好きなのねー」

そうそう、ジョニーはこの役も相当に演じたかったんでしょうね。
でも、そんなことは忘れちゃったように、
さらりと心から作品を絶賛しちゃうところが
また、ジョニーらしいね。

>王道のハリウッド大作をマイベストにあげてくれた方が
面白いのになって

あはは~、そしたら作品の評価もまた上がっちゃうんでしょうか。
またまた、なんだか複雑かなぁ~(苦笑)

何はともあれ、媚びないサラリとした演出が素晴らしい、
絵画を思わせるような作品だと思いました。

投稿: ri | 2008/04/06 15:04

こんにちは。

riさん、すごい勢いで映画を観てますね。
この映画も、劇場でご覧になれたようで良かったですね。

。。。そして。。riさん、今年は花まで植えちゃって。。
なんか すごいじゃないですかぁ~忙しそうなのに。
これもジョニーの影響だとしたら
いったいジョニーってどれだけすごい人なんでしょう(笑)

この映画。
撮りようによっては
ものすごく重苦しくもなるし、泣かせる路線の難病ものにもなりそうなのに
敢えてそうしないで、淡々と描いたために
かえって心に響きました。
心の中に何枚もの「絵」として残っています。

苦しいとき、泣いたりわめいたりするのは みんな同じ。
ワタシが観たいのは、それを突き抜けた、強さとしなやかさを持つ人です。
でも、だからと言って「聖人」でも「仙人」でもないんですね。
ちゃんとひとりの男としての欲求も葛藤もあるんですよね。

もしかしたら。。
ワタシはいろんな意味で、障害を持って、それを乗り越えようとする人を、自分の勝手な思い込みや理想の中に閉じ込めていたのかもしれません。
考えを改めなくては・・と思いました。

投稿: チョコ | 2008/04/08 17:01

チョコ様

コメント、TBありがとうございました。

はい、無事に観ることができました。
いくらでも、泣かせるように撮ることができる題材。

>敢えてそうしないで、淡々と描いたために
 かえって心に響きました。

ホントに、そう思います。
いかにも泣かせるために…という映画もある中で、
新鮮でいて、自分の心も見つめなおすきっかけにもなったように思います。

>いったいジョニーってどれだけすごい人なんでしょう(笑)

はい、映画をたくさん観るようになったのは、
確かにジョニーの影響です。

でも、花はただの気まぐれです。
たぶん、ダンナも単身赴任になり、
日曜日が、ますます暇になったからだと思います。(笑)


投稿: ri | 2008/04/10 01:41

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フランスのファッション誌「ELLE」の編集長 ジャン=ドミニク・ボビー(マチュー・アマルリック)は、ある日脳溢血で倒れる。昏睡から3週間ぶりに目覚めた彼には、体を動かす自由はなかった。彼に残された自由は左目で瞬きすることだけ。自分の置かれた状況を受け入れるしかないどうしようもない状況で、彼は言語療法士の力を借りて瞬きだけで自分の意志を伝える方法を学ぶ。そして「20万回の瞬き」で1冊の本を書き上げたのだ。潜水服は蝶の夢を見る。この不思議な題名は、ロックトイン・シンドローム(閉じ込め症候群)という難... [続きを読む]

受信: 2008/04/08 17:03

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