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2008/02/19

ラスト、コーション

 

20080202_412127_2 《劇場鑑賞》

 

 アン・リー監督作品、

 初めての劇場鑑賞。 

 張り詰めたピアノ線のような

 男と、女。

 

 

 

 

1942年、上海。

汪精衛傀儡政権の特務機関のリーダー、イー(トニー・レオン)の自宅では、
夫人(タイタイ)たちが、麻雀に興じていた。

その中に、夫が貿易商だというマイ夫人(タン・ウェイ)がいた。
帰宅したイーとマイ夫人は、張り詰めた探り合うような視線を交わす。

 

1938年、香港。

香港大学の学生、ワン・チアチー(タン・ウェイ)は、
愛国劇を上映するというクァン(ワン・リーホン)に誘われ、
舞台に上がり、主演女優として喝采を浴びる。
そして、彼に惹かれていたワンは、
演劇仲間たちと、イー暗殺計画にも加わっていく。
身分を偽りイー夫人に近づき、暗殺の機会をうかがう。

でも、それは学生の無謀な甘い計画でしかなかったのだ。
計画は、イーが突然上海に戻ったしまったことで流れてしまった。

一度も男性経験のないワンが、イーを誘うため、
ただ一人経験があるという仲間を相手に、練習をする。
そんなことを、ワンにさせることに後ろめたさを感じながらも、
学生の熱い抗日感情で始めてしまった事に、
後戻りできなくなっていく仲間たち。

 

計画が破綻して数年後、
上海でクァンに再開したワンは、
再び主演女優として、イーの暗殺計画に加わることになる。

マイ夫人になりきり、イーに近づくワン。
いや、なりきると言うより、
イーと相対している時は、マイ夫人でしかなかった。

「君だけは信じる。」と言うイーの目は、
マイ夫人にだけは、全てを許しているようで、
そう言いながらも、全てを見透かしているようにも見える。

激しく体を求め合うことだけが、唯一の真実のように。

張り詰めた空気は途切れることなく、
切なさが、きりきり心に詰め寄ってくる。

イーは、解っていてもマイ夫人を愛したのか、
それとも、こころから信じていたのか。。。

 

ほとんど仮面のような表情をしているトニー・レオンは、
『インファナル・アフェア』の時の、繊細な表情とは別人のよう。
改めて、実力のある凄い俳優だと実感した。

新人だと言うタン・ウェイ。
ワンの化粧っけのないあどけない顔と、
きりっと赤い口紅を塗ったマイ夫人の表情のギャップがすごい。

 

私にとって、アン・リー作品はレビューを書くのが難しい。

『ブロークバック・マウンテン』も、結局書けなかった。
実は、この作品も1週間かかってしまった。

でも、なんだか少しも言いたいことが書けない。
何度書き直しても、違うような気がしてしまうのだ。(涙)

ホントに、自分の文才のなさがもどかしい。。。

 

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コメント

こんにちわ。
十分に映画の素晴らしさが伝わってくる
文章だと思います。
ご謙遜などなさらずに・・・。

私も最初は楽しかったはずの映画論が
一時期非常のもどかしく億劫に感じることが
ありました。まるでスランプのように思うことを
文章に上手く綴れない・・・そんな時期です。

でも、カッコつけたり気負ったりせずに、
感じたままを肩の力を抜いて書けばいいじゃん
と吹っ切ったら・・案外スラスラと書けるように
なったりして。

今でも気持ちの波はあるけれど、
そんなときほど深く考え込まないように心がけ
ます。それか、わざと数日おいてみたりするのも
効果的だったり、しまいには書くことを放棄
してみたり(笑)。

だって、我々は映画評論家じゃないですもんね♪

この作品って『BBM』にハマらなかった人は、
案の定やっぱりハマれなかった人が多いみたい
です。
アン・リーってそんなに強烈な個性を放つ監督
という印象はないけれど、目には見えないところ
で実に巧みな魅力をみせてくれる人だなあと
感じるので、好き嫌いははっきり分かれるのも
無理はないかもしれません(苦笑)。

でもやっぱり・・・
すごく痛烈なものを残す作品でした。

≫マイ夫人にだけは、全てを許しているようで、
そう言いながらも、全てを見透かしているようにも見える。

この一文、大変見事だなあと思いました。

投稿: 睦月 | 2008/02/20 14:25

riさん、こんばんは。

これ観たいんですけどこちらでは上映していないんです(涙)
なのでレンタルが出るのを待つしかないですね。

>イーは、解っていてもマイ夫人を愛したのか、
>それとも、こころから信じていたのか。。。
物語の中では明確な答えが無いんですね。
ではその辺を踏まえて観てみます(笑)
でも『本当はどうなんだろう?』という疑問は残る作りなのでしょうか…?

とにかく数か月楽しみに待つことにします♪

投稿: Rei | 2008/02/21 00:47

riさん♪こんばんは

この作品。話題になっているようですね。
riさんのレビューを読んで、その繊細さが
伝わってきました。

十分大人の年齢になっているのに、
どうも私未だに、男と女の性(サガ)的な
愛憎ものって、気後れしちゃって、
観ていて衝撃的なので、ひとりR15指定(笑)

だから、riさんのようにじっくり味わえる感覚が
『大人だな~』って思っちゃいます。

また素敵な作品をみつけたら、是非riさん色で
綴って下さい♪楽しみにしています!

投稿: NIMO | 2008/02/21 19:28

睦月様

お返事、遅くなってゴメンなさい。
長男が帰ってきていて、なかなかパソコンが空かないので、
ちょこっと、会社から。(苦笑)

謙遜なんて、まるっきりしてるわけじゃなく、
どうにも自分の文章が… なのですが。(苦~)

でも、カッコつけたって気負ったってしょうがないんですよね。
そういうつもりもないと思っていたのですが、
知らず知らずのうちに、人に読んでもらうからには…
という気持ちが強くなってきたのかもしれません。
睦月さん、ありがとう!

私は、そんなにたくさん観ているわけではないですが、
やっぱり、アン・リー作品好きです。
この作品も、『BBM』同様、懐が深いなぁ~と感じました。

それから、
エミリ・ブロンテの『嵐が丘』は、
やっぱりヒースのことが頭にあったからでしょうか、
なんとなく、パッと浮かんできました。

でも、私、映画になった作品はひとつも観ていません。
小説だけなんです。
ジュリエット・ビノシュとレイフ・ファインズ主演の作品があるようなので、
観てみようかな~と思っています。

投稿: ri | 2008/02/22 12:44

Rei様

お返事遅くなってすいません。

この作品は、なんとか上映されていたので、
観ることができました。
でも、なかなか上映されない作品も多いので、
DVDが待ち遠しいですよね。

>物語の中では明確な答えが無いんですね。

私が汲み取れなかっただけなのかもしれませんが、
そのあたりは、とっても深いものを感じました。

Reiさん、お義父様のおかげんいかがですか。
お義母様のほうが。。。という気持ちわかります!
確かに、いつもそばについている人は大変ですよね。

Reiさんも、適度に息抜きしながら頑張ってくださいね。

また、いっぱいジョニーのお話もしましょ♪

投稿: ri | 2008/02/22 13:32

NIMO様

>riさんのレビューを読んで、その繊細さが
 伝わってきました。

ホントですか?
なんだか、この記事を書いていて、
自分の感じたことが、なかなか伝えられないような気がして、
スランプに陥っていました。

「ひとりR15指定」ですか!

いいオバサンですが、「大人」なんて言われると、
なりきれてない部分も一杯あるような気がして、
なんだか、恥ずかしくなってしまいます。

私も、さすがに家族と一緒じゃ居心地悪いので、
こんな作品は、一人で観にいくことにしています。(笑)

投稿: ri | 2008/02/22 14:14

お久しぶりです。
riさんのレビュー、私はすごく好きです。
読み進めていくうちに、「うーー観たいっ!」モードになってきます^^

投稿: のぞみ | 2008/02/22 14:52

のぞみ様

コメントありがとうございます。

>riさんのレビュー、私はすごく好きです。

ありがとうございます!

ブログをはじめてから、
楽しさの反面、文章だけで自分の気持ちを
的確に伝えることの難しさを実感しています。

でも、少しでものぞみさんに伝わっていたら、
ホントに嬉しく思います。

私は、映画のことは、な~んにも知らないし、
そんなにたくさん観ているわけでもないので、
ホント、つたないレビューですが、
また、よろしくお願いしますね♪

投稿: ri | 2008/02/24 08:40

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