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2008/02/29

エリザベス:ゴールデンエイジ

 

20080217125529_2 《劇場鑑賞》

 エリザベス一世。

 「よき女王エリザベス」と

 国民に慕われ、

 ヴァージンクィーンと呼ばれた、

 一人の女性の物語。

 

 

 

 

 

25歳でイングランド女王に即位したエリザベス(ケイト・ブランシェット)。
父王ヘンリー8世の遺志を継ぎプロテスタントの女王として即位したが、
国内にはカトリック信者が大勢おり、不安と憎悪が渦巻いていた。

1585年。
ヨーロッパ列強はイングランドを占領すべく狙っており、
スペイン国王フェリペ2世はことあるごとに圧力をかけてきており、
エリザベスは、常に暗殺の危機にさらされていた。

さらに、カトリック派のスコットランド女王、
メアリー・スチュアート(サマンサ・モートン)の存在も火種となっていた。

そんな時、
新世界から戻ったウォルター・ローリー卿(クライヴ・オーウェン)が現れ、
エリザベスは彼に惹かれはじめる。

 

 

まずは、録画しておいたこちら。
前作の『エリザベス』を観てから、劇場に出かけた。

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 こちらは、25歳という若さで
 即位したエリザベスが、
 恋をあきらめ、女王として、
 ヴァージンクィーンとして生きると
 決意するまでが描かれている。

 

 

 

そして、本作はイングランドがスペイン無敵艦隊を打ち破り、
「ゴールデンエイジ」と呼ばれる繁栄の時代を迎えるまでが描かれている。

とはいえ、どちらの作品も、
史実を追う物語ではなく、エリザベスの心を描いた作品だ。

  恐れ・苦悩・疑惑・迷い・寂しさ・嫉妬、  そして愛情。

全ての感情を、絢爛豪華なドレスとカツラに覆い隠し、
凛々しく気丈に、女王として生きていくエリザベスのお話。

ケイト・ブランシェット扮するエリザベスは、
言葉にならないくらい、神々しく美しかった。

アマルダ海戦に赴く兵士たちを鼓舞するため、
自ら、鎧をつけ白馬にまたがり、前線に立つ姿には、
思わず、熱いものが込み上げてしまった。

  

******************************************************

 

見終わった後、この時代のことを少し調べてみた。

(初めに調べろって感じですが…苦笑)

エリザベスの父王、ヘンリー8世は、
最初の王妃キャサリン・オブ・アラゴン(エリザベスの姉、メアリー1世の母)
と離婚し、エリザベスの母であるアン・ブーリンと結婚しようとした。
しかし、カトリックでは離婚が禁止されているため、
ローマ教皇国と対立し、イングランド国教会を樹立した。

そこまでしてアン・ブーリンと結婚したものの、
ヘンリー8世は、すでに次の女性に心を移し、
アン・ブーリンは無実の罪でロンドン塔で斬首刑に処せられた。
幼くして母を失ったエリザベスは、私生児の烙印を押されることとなる。

その後、王女として復権され成長するが、
姉、メアリー1世の治世には反逆の疑いをかけられロンドン塔に幽閉される。

熱心なカトリック信者であるメアリー1世の死後、
エリザベスは、25歳という若さでイングランド女王に即位する。
プロテスタントであるエリザベス1世は、幾度となくカトリックによる
暗殺の危機にさらされる事となる。

と、ここまで書いても、私たちにはどうも馴染みがない、
キリスト教のカトリックと、プロテスタントの確執。
ローマ教皇国とイングランド国教会の対立。

ピンとこないが、宗教というものは、
相容れない場合、とんでもない対立に発展することは、
歴史の中で幾度となく繰り返されている事実である。
が、日本人にはどうも理解しがたい部分だ。

そして、カトリックでありイングランド王位継承権を持つ、
スコットランド女王メアリー・スチュアートの存在が、
エリザベスを脅かすこととなる。

側近たちは、反逆罪でメアリーを処刑するように主張するが、
エリザベスは最後まで処刑することに同意するのを嫌がった。
しかし、とうとうメアリーを処刑することとなってしまう。

カトリックの女王メアリーを、プロテスタントの私生児が処刑したと、
ローマ教皇国やカトリックの強国スペインは、
ますますイングランドを敵視するようになり、
やがて、英西戦争へと発展してしまう。

当時のヨーロッパ最強国、スペインの無敵艦隊を、
地の利や天候が味方したとはいえ、
まだまだ弱小国であったイングランドが打ち破ったことは、
日本における、蒙古来襲に似た出来事だったのかもしれない。

その後、イングランドがスペインに取って代わる様に繁栄する。

この時代には、シェイクスピアを初めとする多くの文筆家を排出し、
宮廷文化が花開いた時代でもあったようだ。

そんないろいろな背景を思いながら見ても、また面白いのかもしれない。

 

******************************************************

 

作品では、ややこしい史実は多くは語られない。
だから、わかりにくい点があるのも事実なのだが、
エリザベスの女王として、また女としての苦悩が、
痛いほど伝わってくる作品だ。

スコットランド女王、メアリー・スチュアートを演じたサマンサ・モートン。
エリザベスの重臣、フランシス・ウィルシンガム卿を演じたジェフリー・ラッシュ。
エリザベスが恋する、ウォルター・ローリー卿を演じたクライヴ・オーウェン。

どのキャストも、存在感があって、とっても良かった。

でも、それらが全て霞んでしまうほどに、
ケイト・ブランシェットは素晴らしかった!

 

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コメント

こんにちは。

私も観終わってから、ちょっと調べてみました。
まったく。。なんで観る前に調べないんでしょうね(苦笑)
気になったのはメアリー・スチュアートという女性です。
あの処刑される時の 真っ赤なドレスがとても印象に残ってます。
エリザベスと同じく波乱の一生を送った女性のようですね。
映画の1本や2本、作れそうな感じです。

自分が女だからなのか
波乱を生きた女性の物語には、つい入れ込んじゃいますね(笑)
だからなのか。。ローリー卿があまり魅力的に見えなかったです。
なんで、エリザベスは彼に惚れたのかなぁ?
きっと彼から、外の世界の空気を感じたのでしょうね。

ケイト、素晴しかったですね。
人前で結婚の話題を出したウィルシンガム卿を
裏でどつく場面なんかちょっと笑えました。

投稿: チョコ | 2008/03/02 12:29

riさん、こんばんは。

『エリザベス』
見た方みなさん“良い”と言っているので
とても気になっていました。
riさんが書いて頂いたおかげで、歴史的背景がしっかり予習でき
尚一層、観てみたくなりました。有難うございますm(_ _)m

今から420年前は、こんな風に宗教や領土をめぐる
“お国合戦”(←猿蟹合戦みたいに、スミマセン^-^:)が
バンバン繰り広げられていたんですね・・・。

歴史が絡む映画や小説を読んでいると、事実起こっていたにも関わらず
そのような『物語』を観ているかのように
やや現実性を感じない事もあります。
それほど、ドラマチックな時代だったんでしょうね。

ケイト・ブランシェット。
以前、個人的には、グウィネス・パウトロウと被るところがあって
儚く・憂いがちな印象を持っていたんですけど
今では、最強の大女優さんですね !

読み応えのある、素敵な記事を有難うございました♪

投稿: NIMO | 2008/03/03 18:49

こんばんわ。
riさん、まずお礼を言わせてください。
いろいろとお気遣いいただき、
ホントにありがとうございました。
・・・救われましたです。

私ね、世界史を専攻してたんです。
んで、エリザベス女王のあたりの歴史がすごく
好きだったの。だからこの続編の製作が決まった
とき、すごく楽しみでした。

たしかに史実としては食い足りないし、歴史大作
といえば物足りなさを感じたのもたしかでしたが
エリザベスという一人の女性のニューマニズムを
描いた作品としては大変満足な作品でした。

お腹を大きくして、アカデミー賞に出席した
ケイトもまた・・・大変神々しく美しかった
です(涙)。

投稿: 睦月 | 2008/03/03 21:06

チョコ様


>まったく。。なんで観る前に調べないんでしょうね(苦笑)

そうなんですよ。なんでもそう!
見る前は、まっいいや!って思うんですけど、
見終わった後は、どうにも気になって調べる。
なんてことは数え切れず。

でも、また性懲りもなく同じことしちゃうんです。(苦笑)

私も気になって、メアリー・スチュアートも調べちゃいました。
サマンサ・モートンは、なかなかに似合ってましたね。
「リバティーン」のときより魅力的だったような…

>人前で結婚の話題を出したウィルシンガム卿を
裏でどつく場面なんかちょっと笑えました。

そうそう、そんなところからも、
エリザベスという人の魅力が伝わってきました。

投稿: ri | 2008/03/04 00:53

NIMO様

>歴史的背景がしっかり予習でき

と、とんでもないです~!
Wikipediaさんを、ちょこちょこっと
抜粋させていただいただけですもん。
お恥ずかしい。。。

私、映画でも小説でも歴史物が大好きなんですが、
確かに、どこか事実と言うより「物語」としてみているかもしれません。
改めて、事実ということに驚愕してしまうことも度々です。

グウィネス・パウトロウは、
「セブン」と「リプリー」ぐらいしか知らないんです。
実は、最近まで名前も記憶していませんでした。(涙)

まだまだ、たくさん映画を見るぞ~!
NIMOさんの「こよなく映画を愛しましょう」も
参考にさせていただきますね♪

投稿: ri | 2008/03/04 01:04

睦月様

少しは落ち着きましたか?
エライことだったもんねぇ。
私なんか、睦月さんを影ながら応援する事しかできないけど、
睦月ちゃんの人柄も文章も大好きだよ~!
って、いつでも言えるからね。

私も、日本史より世界史が好きでした。
そして、中世と呼ばれる時代は、
なんとも魅力的な時代だな~と、思っていました。

アカデミー賞のケイト・ブランシェットは、
いつにも増して、美しく穏やかな表情でしたね。

確かに、ジョニー・デップと通じるところのある、
確かな実力と美しさを兼ね備えた女優さんだと思います。

投稿: ri | 2008/03/04 01:27

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