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2007/10/23

ジョニー・デップ ~天才を刺激するカリスマ~

 

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ジョニー・デップ
    ~天才を刺激するカリスマ ~
 

    

ぶれることのないその独自の世界観と、
それを体現するだけの演技力を併せ持つジョニー・デップ。
彼は今や、天才と呼ばれる映画人らをも刺激し、
映画そのものを牽引する稀有な表現者である。

               キネマ旬報 2006年4月号より 

 

  

ジョニー・デップの載っている雑誌を、いちいち買っていたらキリがない。
だから、最近はよほど気になったものしか手を出さないことにしている。

でも、たまたま息子のお付き合いで行った古本屋さんで見つけ、
このフレーズに惹かれて、ついつい手を出してしまった、キネマ旬報。

 

「ジョニー・デップに一番近い日本人」と言われる佐藤友紀さん。
彼女の記事は、いつも彼女しか知りえないようなことが、
さらっとした文章で綴られているような気がする。

「ジョニー・デップの時代」という講座(←カリスマ映画論睦月さんの記事
でも紹介されたというエピソードもあり、初めて知ることもあった。

  どんなとりとめのない話でも常に真剣にしゃべってくれるジョニー・デップ。
  戸田奈津子さんをして「質問には一つずつ言葉を選んで
  真摯に答える姿が忘れられない」と言わしめたほどだが、
  その真面目さは演技について語るとき、最もヒートアップする。

そうなの!もちろん、会った事ないけどわかるなぁ!

  優れた表現者というのは、脚本に書かれていない、
  キーモーメントの見つけ方が巧いことに驚かされる。
  『リバティーン』では、「リジーが、どうせ私とやりたいだけでしょと言った
  瞬間に本気で惚れた、と解釈して演じているよ。」というジョニー。
  『妹の恋人』では、サムとジューンがベッドに横になるシーン。
  ジョニーは、このシーンで「I love you」ではなく、
  どうしても「I am a bed wetter」~僕はおねしょするんだ
  と言いたかったらしい。
  こうした表面にでてこない葛藤を知ると、感慨深いものがある。

ジョニーには、表現者という言葉がよく似合う。
脚本に書かれている言葉の中から、
脚本に書かれていない部分を創造し解釈し作り上げる。
そのジョニーの努力を見逃さないように、しっかり作品を見ていきたいと思う。

佐藤友紀さんが最もセクシーだと思うジョニーはというと。。。

  『アリゾナ・ドリーム』で、ジョニーがフェイを相手に、
  立ったままでのラブシーンを演じている時、
  フェイに低い声で、「あっち向けよ」と命じる。
  演技を超えた個人の持つ性的重力とでも言おうか。

なるほど。。。(DVDリピート中…)
…何度リピートしても、「あっち向けよ」とう台詞がわからない!(泣)
それにしても、佐藤さん、さすが目の付け所が違います。

『デッドマン』の撮影の時、最後のジョニーがひとり船に乗って
魂の故郷へ船出するシーン撮影の時のエピソード。

  「カメラが物凄く遠いなぁって。しかも水の流れがかなり速くてね。
  (中略)ジム(ジャームッシュ監督)は、「心配するな。何かあったら
  飛び込んで助け出すから」だってさ。岸とボートの間は250mはあって、
  しかも気温は零下の冬!多分、トム・クルーズだったらやらないだろうな。
  彼は賢いから。僕はちょっとトロいんだ。(笑)」

へえ~、あのシーンって、そんな危険な感じには微塵も見えないよね。
ジョニーって、危険な香りは漂わせても危険なスタントとかは似合わないけど、
きっとわからないところでは、いっぱい危険なこともあるんだろうなぁ。

そのほかにも、宝石店でのエピソードや、ハンター・S・トンプソンとの交流、
音楽との係わりなど、とっても興味深い内容だった。
最後に佐藤友紀さんは、こう結んでいる。

  同時代に生きている幸福を改めて感じてしまった。

同感です、佐藤さん!
作品の中のジョニー・デップは、文句なしに輝いている。
それに劣らず、インタビューやイベントのときの姿も話す言葉も、
輝きとオーラを放つジョニー・デップ。
これからも、楽しみでしょうがない!

 

 

そして、俳優や監督たちが語るジョニー・デップ。

いろんなところで目にしている言葉がたくさん載っていたし、
これも、私は初めて目にするものも、いくつかあった。
何にしても、この人たちが語る言葉は
何よりも真実味があるような気がするのは、私だけだろうか。
私は、俳優や監督たちがジョニーを語る言葉を読むのが大好き。

 

  ~アル・パチーノ~
  デ・ニーロやジャック・ニコルソンや僕らを継承してくれるのは、
  ショーン・ペン、ラッセル・クロウ、そしてジョニー・デップだと思っている。
  彼らの知的な仕事振りを好ましく思っている。
  彼らが偉大な俳優だと言うことは言うまでもない。

  ~ローレンス・ダンモア監督~
  (ジョニーが『リバティーン』の出演を快諾してくれた時)
  僕は(あまりの嬉しさに)道に寝転がって、空中をパンチしながら、
  「Yes!Yes!Yes!」って叫んでしまった。ロサンジェルスのど真ん中でだよ!

  ~ラッセ・ハルストレム監督~
  デップは繊細な俳優で、複雑な感情を“言葉”に頼らず表現できる奥深い
  “表情”を持っている。これみよがしではない、繊細な演技が素晴らしい。

 

天才たちが語るジョニー・デップ。
彼らが語る言葉は、共演者に対するお決まりの賛辞とは違う、
心からの言葉に感じるのは、ファンの贔屓目だけではないと思うのだが。

現代のカリスマ、ジョニー・デップ。
今のジョニーフィーバーは、ジョニーをカリスマから
スターの地位に引きずり出そうとするような騒ぎだ。

でも、ジョニー自身は全くスターの地位に出てこようとはしない。
いやいや、スターには違いないのだけれど、
彼は、たぶんこの現象がいつまでも続くとは思ってないし、
どんな状況であれ、自分の感性と直感で、
『表現者』、『俳優』を貫き通してくれるだろう。

やっぱり、ジョニーにはいつまでも『カリスマ』と呼ばれるような
存在であり続けてほしいと思う。

 

同じ俳優や、作り手である監督たちをも刺激する存在として。。。

 

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コメント

こんにちわ。
文中リンクありがとうございました!!

素敵な記事に、会社PCからこっそり「うんうん。そうそう」と
うなずきながら読みふけりました。

佐藤さん、いろんな媒体で同じようなお話をされていたんだなあ
とちょっとニヤリとしてしまった(笑)。
そういえば、講義のときもジョニーが一番セクシーだと思う
シーンは、『アリゾナ~』で猛獣のようなファ○クをするジョニー
だわ♪なんて言っていたのを覚えています(笑)。

ライターとしてジャーナリストとして、佐藤さんのことは
昔からすごく尊敬していたんだけれど。
映画会社に勤める私の友達が、「佐藤さんって、ライター界の
超重鎮。若手にめちゃくちゃ厳しいで有名よ。」と言っていて、
「佐藤さんに弟子入りするのは困難かなあ・・」なんて
思ってしまいました(笑)。

講義のとき2ショットで写真を撮ったんですが。
すごく小柄で朗らかな人だったからなんか、厳しいなんて
想像できなくて。
彼女に触れることで間接的にジョニーにも
触れたような気分で舞い上がってしまいました。

佐藤さんのジョニー講義、先月あたりもやってました。
結構しょっちゅう開催しているみたいなので、
機会があればぜひriさんと一緒に受講できる日がくればいいなあ
と思ったりして♪

素敵な記事をありがとうございました。

投稿: 睦月 | 2007/10/23 16:18

睦月様

あとでお邪魔して、文中リンクの件ご報告するするつもりでしたが、
先にコメいただいて、感謝です!

トップの写真が表紙だったのですが、
表紙も素敵で、記事もなかなか読み応えがありました。
佐藤さんの記事は、相変わらずとっても楽しかったし!

何よりも、
『天才を刺激するカリスマ』というフレーズに惹かれてしまいました。
なかなか素敵な感じ、ジョニーにピッタリな感じと!

そうそう、睦月さんご存知かもしれないけど、
字幕翻訳家の菊池浩司さんという方のブログで、
佐藤友紀さんとの対談の記事が載っていました。

これがまた、なかなか素敵な対談記事で、
もしかしたら講座でもお話されていたかもしれないけど、
最初にジョニーに会った時、ジョニーは、
「僕だけが日本語できなくてゴメンね。」って言ったというエピソードには、
なんだか感動。これは、なかなか言える言葉ではないですよ、ホント!

あら、記事とは関係ないお話になってしまいましたが。(笑)

>機会があればぜひriさんと一緒に受講できる日がくればいいなあ

うわぁ、むちゃくちゃ楽しそう!!!
ホント、実現したらうれしいなぁ♪

投稿: ri | 2007/10/23 23:00

riさん、こんばんは。

>『天才を刺激するカリスマ』
ステキな言葉ですね。
本当にジョニーに良く似合ってます。
本人には全然その気がなくても、周りは刺激を受けずにいられない…。
そんな感じでしょうか?

佐藤さんの講演会、いいですね~。
こちらから失礼しますが、睦月さんツーショット写真お持ちなんですか?すごい!
>彼女に触れることで間接的にジョニーにも
>触れたような気分で舞い上がってしまいました。
ここ、想像してジ~ンときました。
ジョニーに繋がってる方ですもんね。分かります。

>フェイに低い声で、「あっち向けよ」と命じる。
思い出してここもジ~ンと来ました(爆)
セリフ、私も確認してみます♪

>演技を超えた個人の持つ性的重力とでも言おうか。
さすが深い読みですね。。
『性的重力』…この言葉に感動しました!

>俳優や監督たちがジョニーを語る言葉を読むのが大好き。
いいですよね。
心からの賛辞は目にしてとても気持ちがいいです。

たっぷり楽しませて頂きました。ありがとうございます♪

投稿: Rei | 2007/10/24 21:30

Rei様

このキネマ旬報の記事は、なかなか読み応えもあり、
とっても素敵な記事でした。
佐藤友紀さんの記事は、やっぱりジョニーへの愛に溢れていて、
文章も洒落ていてますよね。

いつか、ジョニーに会って、
握手してサインもらって、できればハグして、
ちょっとでも会話して(英語できないケド! 苦)、そして。。。
っていうのは、究極の夢ですが、
こういうジョニーと関わりの深い方の、
話を聞いたりするのも楽しいでしょうね。

ああ、地方が恨めしい!(爆笑)

Reiさんの、TDLの記事読ませていただきましたよ!
私も、いつかReiさんとオフ会したいなぁ。

投稿: ri | 2007/10/26 01:48

こんばんは、riさん。

素敵な記事、そうそう!!と一人頷きながら読ませていただきました。アリゾナ・ドリームの鶏の真似すっごい似ていますよね。ジョニーも若さが溢れていて、今とは違った魅力が満載!!

ジョニーの演技って、嫌味がないなぁ…って感じるんです。あの癖のあるジャック・スパロウだって、いかにも作りこみました。役作りしました。という感じではなくて、存在するかのようにサラッと演じているのに、細かい所まで考えている…絶妙なバランスというか上手さを感じます。ジョニーだからこそ、ジョニーでなくては成し得なかったのかなぁと。
ジョニーって、演じているというより、その人物を生きているという感じがするんです。数ヶ月の短い期間かもしれないけど、ジャックの人生を、ロチェの人生を生きているように思います。上手く言えないのですが…(苦)

佐藤友紀さんは山形出身の方ですよね。あたしも山形に住んでいます。山形からジョニーに一番近い日本人になられた佐藤さん。あたしもいつかきっとジョニーに会える!!と根拠のない自信を持っています(笑)あぁ、同じ時代に生まれる事が出来て本当によかった。

投稿: ひまわり | 2007/10/26 23:23

ひまわり様

ひまわりちゃん、試験終わった?
高校生って、忙しいよねぇ~。
大学生になった長男を見ていると、つくづくそう思います。
ひまわりちゃんも、がんばってね!

>ジョニーの演技って、嫌味がないなぁ…

そうなのよね。
にわとりのマネしたって、白塗りしたって、
ドレッドヘアに真っ黒アイラインしたって。
ジョニーは、引きどころっていうのか、
作りこんでもやり過ぎない見極めみたいなものが、
直感的に判っているような気がします。

だから、どんなに作りこんだ役どころでも、
自然に受け入れられるんだと思うんです。

全てにおいて…
作品の中でも、ファンに接している時も、
プライベートでも、バランス感覚が際立っていますよね。

>ジョニーって、演じているというより、その人物を生きているという感じがするんです。

すごい、すごい!
なかなか言えないよ、この言葉。
「その人物を生きている」、まさにその通りだと思います。

>あたしもいつかきっとジョニーに会える!!と根拠のない自信を持っています(笑)

私も!
ってか、私なんて、いつかジョニーに会ってハグするんだ!
(なぜか握手とかじゃなくてハグ! 爆笑)
と根拠のない確信を持ってますよ、無謀にも!!!


投稿: ri | 2007/10/28 02:08

はじめまして!初コメントですが、いつも楽しく拝見しております。
すごく楽しく面白く、素敵な文章ですね。
過去ログも夢中になって読みました~!

私も関西在住で、京都北山の近くの大学に通っていたので、
riさんに勝手に親近感をもたせて頂いてます(笑)

話はそれましたが・・、私もジョニーにどっぷりハマってしまった一人です。
何本か作品は見ていて、かっこいいわぁ・・☆と思ってましたが、
こんなにも熱い情熱を再燃させたきっかけは、やっぱりパイレーツですかね(^^;)
あはは・・まだまだ新米です。
それからと言うもの、あらゆるブログや映画、雑誌を読み漁り、今日にいたってます。
それにしても、ジョニーは奥が深いですねぇ。
知れば知るほど魅力があふれて、ますます大好きに・・♪
同じ人間とは思えないほど、器の大きな素晴らしい人・・。

これからも、もっともっとジョニーの事を知り、
身近に感じる事が出来ればなぁと思ってます。
また、勉強しにお邪魔させてくださいね。
よろしくお願いします♪

投稿: のぞみ | 2007/10/28 14:24

のぞみ様

はじめまして♪ご訪問ありがとうございます。
ブログもジョニーも、まだまだ駆け出し。
素敵なんていっていただけると、ホントにうれしいです!

私なんて、「デッドマンズチェスト」の時に、
はじめて「ジョニー・デップ」という人を認識したんですもの。

>あらゆるブログや映画、雑誌を読み漁り

私は、昨年の今頃が、まさに嵐のような時期でした。
頭の中は、いつもジョニーが駆け巡っていました。
一種の、ビョーキです。(爆)
今は、だいぶ落ち着きましたが、慢性化してしまったようです。

>知れば知るほど魅力があふれて、ますます大好きに・・♪

そうなんです。
だから、慢性病は治りそうにありません!

「勉強」なんて、とんでもない。
私も同じ新米ですので、一緒に楽しくお話できたらなと思います。
こちらこそ、ヨロシクお願いします。

あっ、私、実は北陸に住んでいるんです。
京都は近いので、よく遊びに行きますが。
紛らわしくて、ごめんなさいね。

投稿: ri | 2007/10/29 01:11

All people deserve very good life and loans or just sba loan will make it better. Because people's freedom relies on money state.

投稿: SILVAFANNY31 | 2012/09/29 09:22

本日、商品を受け取りました。
この度は迅速かつ丁寧な対応をして頂きまして有難う御座いました。
終始安心してお取引することが出来ました。
商品の方もすごく満足しております。
また機会がありましたら宜しくお願いします
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思ったよりも綺麗ですた (*^^*)
Lサイズだとどうかなと思ったんですけど、少し余裕がありますが、このようなリングはお直しが出来ないので。
はめた感じ、変にブランドが全面的に出てなくて、さりげなくてカッコいいですね (*^^*)
購入してよかったです(^^
ブランド激安市場 https://www.fujisanwatch.com/watch/rolex/index_6.html

投稿: ブランド激安市場 | 2020/12/16 17:48

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