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2007/05/05

バベル

 

76eb8b04s1  《劇場鑑賞》

 

 思いを伝えること。

 思いを繋いでいくこと。

 思いを受け取ること。

 

 

 

 

 

子供を亡くしたことがきっかけで、
心がすれ違ってしまったアメリカ人夫婦。

長い間、アメリカで働き生活の全てを築きながら、
アメリカに受け入れてもらえないメキシコ人女性と、その家族。

モロッコの荒れて乾いた大地で、山羊を放牧している兄弟。

母の死がきっかけで、心を閉ざしてしまった、
聾唖の日本人少女と、その父。

 

それぞれの物語が、
一丁の銃、一発の銃弾によって繋がってゆく。

 

人は、いろんな理由によって理解しあえない。

使う言葉が違うから意志が通じない。
言葉を持たないから伝えられない。
心を閉ざしているから言葉が通わない。

環境が違うから理解できない。
肌の色が違うからわかろうとしない。
見ている方向が違うからかみ合わない。

人は皆、日々そんな思いを抱えながら生きている。
そして、日々伝えようと、解決しようともがいている。

でも、伝えられないことが多すぎると、
小さな積み重ねが、とてつもなく大きなどうしようもないものへと
変わってしまうのかもしれない。

その、どうしようもないものが最悪の方向に転がってしまうとき、
人は、どうすればいいのだろう。
極限の状況でしか伝わらないものがあるとしたら悲しすぎる。
それでも人は、もがき悩みながらも理解しようと努力する。。。

と、信じたい。

物語の中でも、
いくつか見えてきた心の繋がりが、
一筋の光のように見えた。

 

久しぶりに、
大スクリーンで見たブラッド・ピットは、やっぱり存在感があり、
いつもよりずっと老けて見え、疲れた男をよく体現していたと思う。

そろってアカデミー賞助演女優賞にノミネートされた
菊地凛子さんと、アドリアナ・バラーザさん。
菊地凛子さんも、台詞が一切ない難しい役を熱演していたと思うが、
私は、アドリアナ・バラーザの存在感に釘付けになってしまった。

楽しみにしていたガエル君は、
最後どうなってしまったのか気にならないこともなかったが、(笑)
一緒に観にいった長男が、
「サンチャゴ役の俳優って、いい感じやな。」と言うので、
もちろん、とっくにチェック済みよと、ちょっぴり自慢。

 

私にとって、この作品は、
訳がわからないと切り捨てられる作品では決してない。
が、すばらしい作品と拍手するような単純なものでもない。
なんとも複雑で、繊細な感覚。
言葉では言い当てられないような感覚だった。

そんな作品に時々出会うのだが、
この作品も、また観たいと思った。
見るたびに、ちがった顔を見せてくれる作品だと思うから。。。

 

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コメント

とてもストレートに響いてくるのに、
受け取ったものを言葉にしようとすると、適当な言葉が見当たらなくて、
とてももどかしい思いを抱えてしまいます。

この作品の感想は、ご覧になった方の数だけあって、
拒否反応の大きさや視点の違いに最初はとても驚いたのですが、
最近は、たくさんの方の感想(絶対的な「否」も含めて)の、
どこにどう反応されたか、それは何故かと考えながら読ませていただくのが習慣になった感じです。
それが、わたしの『バベル』であるのかもしれません。

投稿: 悠雅 | 2007/05/06 10:20

こんにちは。

まずは、ご長男がガエルを気に入っていただいたようで
御礼申し上げます(何様。。/笑)

確かにいろいろなことを投げかけられ
受け取ったものもあるのですが
それがどういうものなのか、自分でも言葉に出すことが出来ずにいます。
それはそれでいいのだと思います。
なにもかもが割り切れるわけじゃないと思うから。
それにしても
サンチャゴにしろ、あの手紙にしろ、その後が気にかかりますね。

アドリアナ・バラーザさん
確か「アモーレス・ぺロス」でガエルのお母さんの役で出ていたと思います。
派手じゃないですけど、存在感のある女優さんですよね。

投稿: チョコ | 2007/05/06 11:48

悠雅様

いろんな方が書いていらっしゃるように、
本当に、この作品は言葉にするのが難しい作品ですね。

今日も会社で、『バベル』観にいったというと、
何人かに「どうだった?面白かった?」と聞かれ、
どう答えてよいか、返事に困ってしまいました。
「単純に面白いとか感動するいう作品じゃないけど、私は好き。」
そう答えるのが精一杯でした。

近くのシネコンで見たのですが、
公開してまだそんなに経っていないのに、
とっても小さな劇場だったので、ビックリしました。
それでも、楽勝、余裕で鑑賞できたので、
田舎なのがありがたくもあり、腹立たしくもありでした。(笑)

投稿: ri | 2007/05/08 01:14

チョコ様

お返事遅くなってすいません。
ハイ、長男はしっかりガエル君を気に入ったようです。
帰ってから、ほらほら出てるでしょ、と
ガエル君が載っている映画雑誌を見せたりしてしまいました。

>サンチャゴにしろ、あの手紙にしろ、その後が気にかかりますね。
本当に、いろんな事を、後は自分で考えろと
投げ出されたような感じもしました。
でも、それも含めて繋がったことと繋がらなかったこと、
観た人の数だけ答えがあるのかもしれません。

>アドリアナ・バラーザさん
確か「アモーレス・ぺロス」でガエルのお母さんの役で出ていた

え~~~、そうなんですか。全然気付きませんでした!
私って、あんまり俳優さんたちの名前も覚えてないダメなやつなんです。(苦)

投稿: ri | 2007/05/08 01:25

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