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2007/03/19

キング 罪の王

 

1166511520   《劇場鑑賞》

 

  ガエル・ガルシア・ベルナルの澄んだ瞳と、

  人間として、決して許されない罪の対比。

  オイディプス王の物語を思い起こさせる作品。

 

 

 

 

この作品は、もう劇場では観られないと思っていた。
そしたら、何気なく観ていた地元の映画雑誌に、
17日からショッピングセンターの中のシネコンで上映とある。
「え~、今頃上映なんだ。やっぱり田舎だ!」と妙に感心したりして。

でもって、ダンナと待ち合わせの時間待ちに行ってきた。

それがね、いくらメジャーな作品じゃないとはいえ、
公開初日、土曜日の午後。
なんと、劇場に私一人だった!

ま、いっか。。。この際スクリーンを独り占めだ!

 

***********************************************************

 

海軍を除隊した21歳の青年エルビス(ガエル・ガルシア・ベルナル)は、
一度も会ったことがない父親に会うため、テキサスの小さな町を訪れた。
父は、牧師として成功し裕福で幸せな家庭を築いていた。
招かざる客のエルビスは、父デビッド(ウィリアム・ハート)に、
「私の家と家族に、決して近づくな。」と拒絶される。

絶望したのか、怒りがこみ上げたのか、
ガエル・ガルシア・ベルナルのなんとも静かな表情からは、
私は、何も読み取れなかった。

が、とにかく彼は腹違いの妹であるマレリー(ペル・ジェームズ)を誘惑する。
マレリーを虜にしてしまった彼は、次々と許されざるタブーを冒していく。

なんで、なんで。。。
なんで、そんなことするの!なんで、そこまでするの!
と、ずっと心の中で叫んでいた。
なんで、そんな汚れのない瞳で、無邪気な顔で、
そんな事ができるの!と叫んでいた。
動悸が、どんどん激しくなっていった。

父が言う。
「懺悔しよう、愛のために。懺悔するものは救われる。」と。
そして、過去の罪を懺悔し、
「エルビスは罪の子ではない。私の息子だ。」という父。
それは、ただの自己満足なのか、
それとも、人間としての心からの懺悔なのか。
エルビスは父の罪を懺悔させるためにやってきたのか、
それとも、ただの復習の鬼なのか。

 

コープス・クリスティという町の名前は、
“キリストの死体”転じて“キリストが生きた証”という意味だそうだ。
さらに父親の職業が牧師なのだから、運命的な何かを感じさせる。
父を殺し、母を妻にし、母との子供を作る、
ギリシャ神話のオイディプス王の物語にも通じる寓話だ。

そして、メキシコ人の母をもつ私生児として、
エルビスがどんな人生を送ってきたのかも、作品は語らない。
アメリカ社会の奥深い人種差別、キリスト教社会。

それらの背景、アメリカ社会の裏の暗闇を映したような作品。

親子の愛と憎しみ、人間の罪、社会の罪。
なんだか深い。
ガエル・ガルシア・ベルナルの美しく無邪気で静かな表情は、
何も答えを語らない。。。

 

***********************************************************

 

私が、ガエル・ガルシア・ベルナルという俳優を知ったのは、最近のこと。
いろんな方のブログをさまよっていて、
どうやら、ジョニー・デップを好きな方で、
彼のことを注目してらっしゃる方が多いみたいな気がして、
とりあえず、「アモーレス・ペロス」を観た。

ジョニーも眼で全てを語ってしまうけれど、
ガエルの瞳は、吸い込まれそうなブルーアイ。
ホントに、吸い込まれそうという言葉がはまる眼だ。

「アモーレス・ペロス」では、まだ少年っぽいガエルが、
この作品では、無邪気だけど怖い、奥が深い役を
見事に演じていたと思った。

 

ちなみに、
同じ時期に「クラッシュ」も観たのだが、
あれ、アカデミー作品賞をとった作品だけど、
「アモーレス・ペロス」と似てない?
作品のテーマは違うけど、
交通事故をきっかけになんていうところは良く似ているなと。。。

どちらも良い作品だったが、
私は、「アモーレス・ペロス」の世界観の方が好きかもしれない。

 

新作の「バベル」はもちろん、
ガエル・ガルシア・ベルナル君の作品は、
もっともっと観ていきたいと思う。

 

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コメント

こんにちは

確か11月に公開されたんでしたよね。
わざわざ渋谷まで行って観たんですよぉ~
小さな映画館だったけど、満席でした。
一般受けする映画でないのは分かってるけど、
貸しきり状態っていうのも複雑な気持ちですね(苦笑)

私も、ガエルには翻弄されっぱなしです。
いつも予測のつかない世界に連れて行かれてしまいます。
ジョニーとはタイプが違うけど
どこか同じ魂をかんじる役者さんです。

TBさせていただきますね。

投稿: チョコ | 2007/03/20 17:19

こんばんわ。
参上が遅くなってすみません・・・。

おお!シネコンでガエルくんを独り占めとはなんともうらやましい!・・・っていうか、東京でも1館のみでの上映だったので、地方公開もされたというのはホントに嬉しいことです。

riさん、ガエルくんはグリーンアイなのです。
たまにブルーに見えますが、実は緑なの。不思議な魅力のある俳優さんでしょ?ウチでも過去にガエルくんの記事を作ったときに、「ポスト・ジョニー!」だなんてすごいことを書いてしまったのだけれど、彼の作品選びや、独特の役どころはジョニーに引けを取らない素晴らしさがあります。
おっしゃるように、アモーレス・ペロスとクラッシュは時系列を操作しているあたりが似ていますね。ちなみに、バベルはアモーレスと監督も脚本も同じ方なんですよね。

余計なお世話ですが、ガエルくんの作品でオススメを。
『バッド・エデュケーション』ではボンボン並みの美しいガエル女装が見れます。
『ブエノスアイレスの夜』のガエルくんはかなりステキですが、物語がキツイです。
『天国の口・終わりの楽園』では無邪気で奔放なガエルくんが観れます♪

とりあえず、この3本かなあ・・。お時間があればぜひご覧になってみてくださいな♪

あああ!そういえば、ワールド・エンド、予告解禁になりましたね。いよいよです(笑)。

投稿: 睦月 | 2007/03/21 00:06

チョコ様

コメント。TBありがとうございます。

>ジョニーとはタイプが違うけど
 どこか同じ魂をかんじる役者さんです。

ホントに、作品を観ていると、
ガエルの存在感と、引き込まれるような瞳に釘付けになります。
スクリーンで見ると、それが倍増です!
ど真ん中の席に座り、ガエルを堪能してきました。(笑)

「ワールドエンド」も、本格的になってきましたね。
私は、ジョニーのことも、スクリーンで観ているのは、
「デッドマンズ・チェスト」だけなので、
とっても、とっても楽しみです♪

投稿: ri | 2007/03/21 23:33

睦月様

>ガエルくんはグリーンアイなのです。

そうなんですね!
なんだかね、ガエルの瞳は同じブルーアイでも、
雰囲気がチョット違うぞ!なんで、こんなに魅惑的なの。
と思っていたのですが、グリーンなのですね。
今度は、眼を凝らして見てみます!

>「ポスト・ジョニー!」
でも、睦月さん、ジョニーにポストなんてありえない、とも書いてらっしゃたような。。。
(間違ってたらゴメンなさい)

どちらもね、わかる気がします。
ジョニーは、どこまでもジョニーで、
もちろん他にも素敵な俳優さんはたくさんいるけれど、
ジョニーに変われる人はいない、と思います!
でも、アート系の作品に好んで出演したり、
圧倒的な存在感と瞳で、スクリーンに釘付けにしてくれるところなど、
ガエルとジョニーには、共通点がいっぱいありますね。

次は、『バッド・エデュケーション』を観ようと思っていました。
他の2作も、必ず観てみます。
でも、ジョニーの過去のいくつかの作品と同様、
ガエルの作品も、レンタルショップを根性で捜さないといけない
作品が多いような気がします。。。

20日に、『ホリディ』の試写会に行ってきました。
『ワールド・エンド』の予告編が流れるかと期待してましたが、
残念ながら流れなかった。
って、帰ってネットを観て気付きました。
21日からじゃん!と。

投稿: ri | 2007/03/22 00:07

riさーん

す・すみません~
TBに手違いがあったようで
お手数ですが、削除してくださいね~

ホント、すみませんでした。

投稿: チョコ | 2007/03/22 08:03

いえいえ、どういたしまして~!
では、TBひとつ削除させていただきます♪

ところで、
チョコさん、ワールドプレミア行かれるのですか?
う、う、うらやましい~~~!

昨日は、ジョニー来日のニュースに舞い上がってしまいましたが、
もしもし、天地がひっくり返るほどラッキーにも、
武道館のチケットをゲットできても、
豆粒ほどのジョニーを、遠くから眺めているだけなら、
ワールドプレミアに行きたい!

こればっかりは、無理だぁ!
チョコさん、もし行かれたら、素敵なお話たくさん聞かせてくださいね!

投稿: ri | 2007/03/23 01:53

ごぶさたーんです★
髭ダルマLOVEでございます。

おおー。
私はこの作品未見ですが、何だか面白そうですねえ。
ガエル・ガルシア・ベルナル君とは最近観たドット・ジ・アイでお会いしたばかりです(笑)いい役者さんですよね。

>ガエル・ガルシア・ベルナル君の作品は、
もっともっと観ていきたいと思う。

同感です。良い作品があったらまた紹介してくださいね♪

投稿: 髭ダルマLOVE | 2007/04/09 02:47

髭ダルマLOVE様

こんばんは。こちらこそご無沙汰しています。
ガエル君は、なかなか良いですよね~!
なんとも透明感があって素敵な役者さんです。
新作の「バベル」も楽しみですよね。

いつも、髭ダルマLOVEさんのブログにお邪魔すると
更新のまめさと、鑑賞のペースにびっくりです。
私など、観ても記事にできていない作品も
たくさんあるので、ホントに感心しています。

こちらこそ、おすすめ作品を紹介してください!

投稿: ri | 2007/04/09 23:10

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