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2007/03/13

シッピング・ニュース

 

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《DVD鑑賞》

人間ってやさしい。。。

またひとつ、ラッセ・ハルストレム監督の

素敵な作品を鑑賞した。

 

 

 

クオイル(ケヴィン・スペイシー)は、父の厳しい教育がトラウマとなり、
人間関係もうまく作れず、何事にも精彩を欠き、
ニューヨークで、ひとり無気力で孤独な生活を送っていた。

ある日、
成り行きから美しい女性ペタル(ケイト・ブランシェット)と一夜と共にし、
子供ができてしまい、そのまま結婚する。
だが、奔放なペタルは家庭も子供も顧みず、
男友達と毎日のように遊び回っていた。

クオイルの両親が亡くなったとき、
ペタルは娘バニーを連れて家出をしてしまう。
そして、クオイルの前に突きつけられたものは、
ペタルの交通事故死と、
ペタルが娘を養子として売ってしまったという事実だった。

失意のクオイルは、
父の異父妹というアグニス(ジュディ・デンチ)に誘われるまま、
娘バニーと、クオイル家の故郷であるニューファンドランド島に向かう。
カナダ東北部の辺境の地、ニューファンドランド島は、
5月でも雪が降り、荒々しい自然が剥き出しの島だった。

 

雪が降り、風が鳴り、波が打ちつける厳しい自然。
その中で、失意の中年男が徐々に自分を取り戻していく
人間再生のドラマだ。

クオイルは地元の新聞社に職を見つけ、
港湾ニュース(シッピング・ニュース)の担当になり、
保育園を営む美しい未亡人ウェイヴィ(ジュリアン・ムーア)とも出会う。

自分に自信がないクオイルが、
島の個性的で暖かい人々との交流で、
徐々に生き生きとしてく様子が、
島の雄大で厳しい自然と共に描かれていく。

そして、
クオイル一族の過去とアグニスの秘密も明らかになっていく。

 

クオイルとバニーとアグニスが暮らす、クオイル家の古い家は、
4方がワイヤーで固定されていた。
それは、どこにも行き場のないクオイルの心のようだ。

ハルストレム監督の作品には、『家』が象徴的にしばしば登場する。

『サイダーハウスルール』では、
セントクラウズとサイダーハウスが対照的に描かれ、
『ショコラ』では、
家を持たない自由な魂が描かれ、
『ギルバート・グレイプ』では、
どうにもならないギルバートの悲しみが描かれている。

そして、『ギルバート・グレイプ』では炎で解き放たれ、
この作品では、風がその役目を果たしていたように思う。

 

ケビン・スペイシーは、最初と最後では顔付きが全く違っていて、
さすがと言う演技だった。
ジュディ・デンチは言うまでもない存在感。
ジュリアン・ムーアも、ノーメイクに近いのだが、とっても美しかった。
バニーを演じているのが、三つ子の3人だったと言うのは、
観終わった後で知って、とっても驚いてしまった。

 

ニューファンドランド島の、厳しく美しい自然と、
象徴的で寓話的な出来事がいくつも重なって、
独特の世界観を持った作品だった。

 

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