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2007/02/22

存在の耐えられない軽さ

 

0019 《DVD鑑賞》

 

 男にとっての女の存在とは、

 女にとっての男の存在とは、 

 そして、人間としての存在は。。。

 

 

 

バレンタインデーの、『ショコラ』祭りでルーを堪能した後、
レンタルショップを、何気なく見回っていた。

『存在の耐えられない軽さ』
どこかで聞いたことのあるタイトルだ。

ああ、そっか!
『ショコラ』の、ジュリエット・ビノシュとレナ・オリン
二人が競演している作品。

ただ、それだけで他の何の情報もなしで鑑賞した。
わぁ~、レナ・オリンが妖しく、美しい!
そして、ジュリエット・ビノシュも
こんなに可愛い人だったのかと思うほど、若々しくキュート。

それもそのはず。
この作品、1988年製作で173分という大作だった。

 

****************************************************

 

1968年、チョコスロバキアのプラハ。
女好きで遊び人のトマシュ(ダニエル・デイ・ルイス)は、有能な脳外科医。
看護婦をはじめ、女友達と自由奔放に付き合っていた。
芸術家のサビーナ(レナ・オリン)も、そんな女友達の一人。

トマシュは、田舎の病院に出張し、
テレーザ(ジュリエット・ビノシュ)に出会い、お互い惹かれあう。
テレーザは、トマシュのアパートに押しかけ、同棲生活を始める。
トマシュにとっては、初めての真剣な女性との関わりだった。

その後、結婚した二人だったが、
トマシュはサビーナとの関係も続け、相変わらず女遊びが絶えない。
テレーザはサビーナの協力で、写真家として仕事を始める。

やがて、チョコ事件が勃発し、プラハはソ連軍の占領下となる。
サビーナは、ジュネーブに亡命。
事件を世界に知らせようと、懸命に写真を撮るテレーザだったが、
その写真はテレーザの意思とは逆に、占領軍に利用される。
そして、トマシュとテレーザもジュネーブへと向かう。

だが、故郷を離れても相変わらずのトマシュに、絶望したテレーザは、
一人で緊迫したプラハに戻ってしまう。

 

最初、見始めたときには、
男と女のお互いの存在、恋愛の意味を問いかけている作品だと思った。

でも中盤からは、人生とは、人間としての存在とは。
そんなことも問いかけられているような気がした。

「人生は私にはとても重いのに、あなたには極軽いのね。
 私その軽さに耐えられないの。私は弱いものだから弱い国へもどるわ。」
という手紙を残して、トマシュの元を去るテレーザ。
結局、テレーザを追いプラハに戻ったトマシュは、
占領軍から、執拗に迫害を受ける。

テレーザを愛しながらも、女遊びをやめようとしないトマシュ。
「あなたのようになりたい。無神経で、逞しく、したたかに。」
そう呟き、愛のないセックスができるのか自分も試そうとするテレーザ。

「男は愛がなくてもセックスできる。」とか、
「浮気は男の甲斐性。」なんてことも言われる。
男だって女だって、一人だけを愛し続ける人もいる。
でも、日々暮らしていると、心がちょこっと浮気をすることもある。
それは、女にとっては特に、ちょっとした心の栄養で、
この歳になっても、やっぱり変わらない。

ただ、それだけ。。。
それ以上でも、それ以下でもない。
もう、同志のようになってしまっているダンナとの関係に
何か変化があるようなことでは、決してない。

他の人の場合はわからないが、
男女の違いというより、私にとっては… ということ。
テレーザのように、純粋に一途になることは出来そうにない。

 

この作品は、「プラハの春」と呼ばれる、
チョコスロバキアに社会主義に対する反発と、
改革運動の嵐が吹き荒れていた頃のお話。
この改革運動を沈静しようと、ソ連軍か軍事介入した「チョコ事件」。
そんなことを、付け焼刃で調べてみた。

軍事介入下では、自分の人間としての存在が、
軽いものになってしまっていることに気付くトマシュ。
やっと、テレーザの気持ちに近づいたのか。

いつも、映画を観ていて思うのだが、
世界には、私達が想像もできないようなことがたくさんある。
その後、チェコスロバキアが民族紛争の末、
解体してしまったことを思うと、言葉が見つからない。
美しいプラハの町並みはどうなってしまったのか。 

対照的に描かれている二人の女性、テレーザとサビーナ。

サビーナがいつも持っている、祖父の形見の黒い帽子は、
サビーナの存在の意味を代弁していたんだろうか。

そして、二人の女性を象徴していたのが下着だ。
テレーザは、野暮ったいが清潔。
サビーナは、黒のセクシーな下着にガーターベルト。
これが、二人の生き方そのもののような気がした。

 

男として、女として、人間として。
その存在は軽いのか重いのか。その答えは。。。

 

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コメント

riさん、こんにちは♪

この作品を観たのは何十年前だったでしょうか?(笑)
詳しい内容も覚えてませんが、
>人生は私にはとても重いのに、あなたには極軽いのね。
このセリフだけは心に残っています。

当時の私には映画の内容が重過ぎて、
ほとんど理解していなかったと思われます。
今観たら感想も違ってくるでしょうね。
若い頃と今の感想の違いを見つけるのも映画の楽しさですね。
これはもう一度見直したい作品です。

投稿: Rei | 2007/02/22 09:10

Rei様

コメントありがとうございます。
この作品は、内容もな~んにも知らずに、
おっ、『ショコラ』の時にみたタイトルだ、
というだけで手に取りました。

想像していた内容とは違い、確かに重い部分もありましたね。
それに、結構、いえかなり長かった!
でも、実際のニュース映像を使っているというだけあって、
チェコ事件が、リアルに迫ってきました。

確かに、昔見た映画や本を見直すと、
感じ方が全く違っていたりすることがありますね。
意外な自分を発見した気分になったりします。

なんせ、スクリーンの中の人に、
こんなに夢中になっている自分が、
とっても意外だったりしていますから。。。

投稿: ri | 2007/02/22 20:29

はじめまして。
髭ダルマLOVEと申します。

私はこの作品をはじめて観たのは高校生のころだったと記憶しています。そのあと「どんな話だったっけ?」と思い、社会人になって観直しました。確かに最初に観たときとは違った印象を受けました。

TBさせていただきます。
突然お邪魔して失礼致しました。

投稿: 髭ダルマLOVE | 2007/03/10 03:28

髭ダルマLOVE様

はじめまして。
コメント、TBありがとうございます。

これを機会に、よろしかったら
またお付き合いくださいね。

投稿: ri | 2007/03/11 01:17

わざわざご丁寧にコメント&TBをいただきありがとうございました。

私は決して映画に詳しくありませんし、ブログもあくまで勝手な主観を書き綴っているだけの稚拙なものなのですが、今後とも宜しくお願い致します。

また遊びに来させていただきます。
それではまた★

投稿: ri様 | 2007/03/11 01:47

riさま

上のコメントですが、自分の名前を書くところに間違ってriさんの名前を書いちゃいました。訂正してお詫び申し上げます。

投稿: 髭ダルマLOVE | 2007/03/11 01:50

髭ダルマLOVE様

再度のご訪問ありがとうございます。
私も、まだまだ始めたばかりで
つたないブログですが、
また、お話できるとうれしいです。

よろしくお願いします♪

投稿: ri | 2007/03/11 21:41

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存在の耐えられない軽さ おすすめ度{/star/}{/star/}{/star/} 原題:The Unbearable Lightness of Being 制作:1987年 アメリカ 制作:ソウル・ゼインツ 監督:フィリップ・カウフマン 脚本:ジャン・クロード・カリエール 原作:ミラン・クンデラ 出演:ダニエル・デイ・ルイス ジュリエット・ビノシュ レナ・オリン エルランド・ヨセフソンデレク・デ・リント ... [続きを読む]

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